よく「赤ちゃんのようにスベスベの肌」なんていわれますが、意外と子供の肌トラブルは多いですよね。
カサカサしたり、ブツブツができたりと、毎日子供の肌を観察しているお母さんはたくさんの肌トラブルに悩まされていることでしょう。
肌トラブルのなかでもお母さんをとくに悩ませるのが、「ぶつぶつができているのにかゆみや熱がない場合」です。
かゆみがないので原因を特定するのが難しいですし、熱がないので急いで対処しないといけないのかもわかりません。
では、子供にかゆみや熱のないブツブツができる原因は何なのでしょうか。
また、ブツブツができたときの対策や予防法はどんなことがあるのでしょう?
そこで今回は、子供に発疹・湿疹・蕁麻疹が出てるのにかゆみ・熱なし!原因と対策は?ということで、
子供にブツブツができたときにすぐに対処してあげられるように、子供に発疹(ほっしん)や湿疹(しっしん)、蕁麻疹(じんましん)ができたときの原因と対策を知っておきましょう。
発疹、湿疹、蕁麻疹の違い
ブツブツやミミズ腫れ、赤くなっていることをなんと呼んでいますか?
発疹や湿疹、蕁麻疹の呼び方がありますが、実際にはどう分けて呼んでいいかわからない人も多いと思います。
まず、発疹、湿疹、蕁麻疹とはどのような皮膚の状態を指すのか確認しておきましょう。
発疹(ほっしん)
■皮膚病により皮膚が変化している状態
いろんな皮膚病により、目で見てわかる皮膚の変化のことを言います。
湿疹も蕁麻疹も皮膚病ですので、発疹ということができます。
湿疹(しっしん)
■皮膚の炎症が起きる皮膚炎
皮膚が刺激物に触れたりかぶれたときにおきる炎症のことです。
蕁麻疹(じんましん)
■主にアレルギーによるミミズ腫れ
アレルギーとなるものに触ったり、食べたりすることで体がアレルギー反応を起こし、皮膚が赤くなってミミズ腫れになる症状です。
蕁麻疹は目に見えるところだだけではなく、喉の内部までできてしまうので、呼吸困難などの重篤な症状が出てしまう場合もあります。
子供に発疹が!かゆみがあって熱がないときは?
子供の病気の中には発疹と共に熱がでる病気もありますが、特に熱が出ないのにかゆみだけの症状の場合もあります。
では、かゆみだけの発疹にはどんな病気が隠されているのでしょうか。
ここでは、疑われる主な病気をご紹介します。
- 小児ストロフルス
- リンゴ病
- 汗疹(あせも)
小児ストロフルス
症状
- 大小さまざまの発疹ができる
- 強いかゆみ
- 水ぶくれ
- 掻き破ってしまうととびひになることも
原因
- 虫刺されに対する免疫機能が未発達で、過剰に反応してしまうため
- 虫の活動が活発になる春から秋にかけて起こりやすい
治療法
- 病院に行ってステロイドの塗り薬を使う
- 掻き破らないように爪を短く切る
- 激しい場合は抗アレルギー薬を使うこともある
予防法
- 虫に刺されないようにすること
- 公園や虫の多いところでは長袖、長ズボンで肌を守る
- 室内ではこまめに掃除をして、ダニやノミを増やさないようにする
リンゴ病
症状
- 両側の頬に発疹が現れる
- 発疹は盛りあがり、かゆみを伴う
- レース状の網目模様や波模様に見える
- 人から人にうつる
原因
- ヒトパルボウイルスB19の感染による
- 春先に流行しやすい
治療法
- 特に治療が必要ない場合が多いが、感染症なので一度小児科で診てもらう必要がある
予防法
- 予防接種では防げない
- 飛沫感染や接触感染でうつるのでマスクをする
- 家族に感染者がいれば同じタオルを使いまわさない
汗疹(あせも)
症状
- 汗が溜まりやすいところに赤い発疹ができる
- 小さな水膨れができる
- こすれることでチクチクしたりかゆみが強くなる
原因
- 汗腺に汚れが詰まって炎症を起こす
治療法
- 皮膚を清潔にしていても良くならないときは他の病気の可能性もあるので小児科や皮膚科を受診する
- 炎症をおさえるステロイドや飲み薬を使用する
予防法
- 皮膚を清潔に保つ
- 通気性のいい衣服を選ぶ
- 汗をかいたら衣服をこまめに着替える
- シャワーで汚れを洗い流す
子供に湿疹ができているけどかゆみも熱もない場合は?
子供に湿疹ができているのに特にかゆがりもせずに普通に過ごしているときがあります。
ブツブツができているのでかゆそうですが、本人は全く気にしていない様子です。
単純ヘルペス感染症
症状
- 唇の周りに赤い水膨れができる
- 唇に違和感がある
原因
- ストレスや体調不良
- 免疫力の低下
治療法
- ウイルスの増殖を抑える薬を使う
- 市販薬もあるが、初めて感染したときは購入できない
- 処置が早いほど回復も早い
予防法
- 一度かかると再発してしまう
- 免疫力をつける
- 栄養と睡眠を十分にとる
カンジタ感染症(オムツかぶれ)
症状
- 普通のオムツかぶれとは違い、赤みが激しいのが特徴
原因
- 体内に入ったカンジタ菌が便によって排出されることにより、お尻がかぶれてしまう
治療法
- 小児科や皮膚科に行って、専用の薬をもらう
- 清潔にする
- 乾燥させる
予防法
- 頻繁にオムツを変える
- おしり拭きではなく、できるだけシャワーで洗い流すようにする
以上にご紹介したのはほんの一例です。
子供の発疹には、様々な原因や病気があります。
この他にも色々な症状、病気が隠れている可能性があるので、長引いたり明らかにいつもとは違う症状(吐き気や呼吸困難、下痢など)が起こった場合はすぐにかかりつけの小児科を受診して下さい。
子供に蕁麻疹ができてもかゆみがないときはあるの?
蕁麻疹の大きな特徴は、強烈なかゆみです。
蕁麻疹はかゆみが伴うことが多いのですが、あまり痒みを感じないこともあります。
さらに赤ちゃんに蕁麻疹がでてしまっても、かゆみをうまく伝えられなかったりかゆみの感情がわからないことがあるので気づかない場合もあります。
蕁麻疹(じんましん)の症状
[中略]
どうしようもないくらい強いかゆみを感じることが多いのですが、実は存在感がありながら、かゆみをあまり感じないこともあり、一目でじんましんになったと判断することは難しいです。出典元:新宿駅前クリニック
他の発疹との見分け方!蕁麻疹の特徴とは?
蕁麻疹は他の発疹と見分けがつきやすく、症状も特徴的です。
では、蕁麻疹にはどんな症状や原因があるのか見てみましょう。
症状
- 強烈なかゆみ
- 蚊に刺された時のような皮膚の盛りあがり
原因
- ヒスタミンが放出されることによる
- アレルギー物質(たべもの、動物、金属など)
- アレルギー以外(スポーツ、ひっかき、日光など)
治療法
- 抗ヒスタミン薬を使って治療していく
- 自己判断で使用をやめない
予防法
- あらかじめアレルギー検査を受けておく
- 普段と違うことをしたときは(初めて食べる、初めて動物に触るなど)注意しておく
- 完全に予防することは難しい
アレルギーでおこる蕁麻疹は場所によっては、命の危険性がでてくることもあります。
赤ちゃんは自分の口では言えないので、体全体と、様子がいつもと違うところはないかをよく観察しましょう。
さいごに
子供は痒いことを我慢することはできません。
我慢できないので、自分でも気づかないうちに掻き破ってしまうこともあります。
掻き破ってしまうとその後の処置が大変になるだけではなく、跡が残ることもあるので注意が必要です。
そうならないためにも、大変だとは思いますが、日頃からよく子供の肌を観察して、ケアをしっかりしていきましょう。