子供が体をかゆがることはよくあることです。
外で遊んでいて草や虫にかぶれたり、汗をかいてそのままにしていたらかゆくなったりと、こどもの肌はこちらが思っているよりも敏感です。
子供がいろんなところを痒がる中で、特に手のひらをかゆがることはありませんか?
「手のひらをかゆがる病気なんてあるの?」と不思議に思うかもしれませんが、意外とたくさんあるのです。
そこで今回は、子供が手のひらのかゆみを訴える原因と対策!湿疹・赤い場合は?ということで、子供が手のひらをかゆがったり湿疹ができたとき、手のひらが赤くなっているときはどんな病気が隠れているのかについて、ご紹介しますね。
子供の手のひらに湿疹が!かゆみがある場合はどんな病気が隠れている?
子供が手のひらをかゆがるので、よく見てみると湿疹(しっしん)が出来ているときがあります。
その湿疹は赤くて小さいブツブツだったり、赤く腫れあがっていたりと様々です。
では、子供の手のひらに湿疹ができ、かゆがっているときに疑われる病気は主にこのようなものがあります。
- 汗疱性湿疹(かんぽうせいしっしん)
- 接触性皮膚炎
汗疱性湿疹(かんぽうせいしっしん)
- 汗をたくさんかきやすい子供はなりやすい
- 汗腺から汗を全て出し切れずに残っている状態
- 子供は皮膚が薄いので症状がでやすい
- 金属アレルギー
症状
- 手のひらや指に小さな水疱(すいほう)ができている
- かゆみや痛みを伴う
- 水疱を破ると湿疹がでてくる
- ひどくなると皮膚が剥けてただれる
対処法
- 症状が軽い場合は尿素入りの軟膏を塗る
- 外用ステロイド薬で炎症を抑える
予防法
- 汗をかいたらこまめにふき取る
- 汗をかきやすくなってしまうので手袋の使用は控える
- 手を洗うときは指の間までしっかりと洗う、洗い流す
- 水疱ができているときは砂場遊びなどの菌がつくような遊びは控える
接触性皮膚炎
原因
- アレルギー物質(植物や金属、虫など)に触れたことによる炎症
症状
- 赤いブツブツができる
- 皮膚が赤くもりあがる
- かゆみや痛みが伴う
- 水疱ができることもある
対処法
- ステロイド外用薬を使用する
- かゆみがひどいときは抗ヒスタミン剤が処方される
- 患部をかき破らないようにする
予防法
- 肌を清潔に保つ
- アレルギー物質を避ける
子供の手のひらが赤いときにはどんな病気の可能性がある?
手のひらがかゆくなる病気のなかには、手のひらが赤くなる病気があります。
中にはかゆみがあまりないのに、赤く腫れあがることも。
手のひらが赤くなる病気の一例をご紹介しますので、参考にしてください。
手白癬(てはくせん)、手の水虫
原因
- 白癬菌(はくせんきん)という菌による感染
- 足の水虫にかかっている人が歩いた後をハイハイすることにより感染する
- 菌に触った後、綺麗に洗わずそのままにする
症状
- 指の間や手のひらが赤くなる
- 皮がむける
- 皮膚がカサカサする
- かゆみや小さな痛みを伴う
対処法
- 小児科に行き、塗り薬や飲み薬をもらう
- 薬は最後まで使い切る
- 手のひらにできたときは手袋を控える
- 清潔にして乾燥させる
予防法
- 手のひらを清潔に保つ
- 家族に水虫に感染した人がいる場合、通った後はハイハイさせないようにする
- 指の間は特にきれいに洗い、乾燥させる
かぶれ様皮膚炎(小児掌蹠丘疹性紅斑性皮膚炎 しょうにしょうせききゅうしんせいこうはんせいひふえん)
原因
- ウイルス性と思われるが、解明されていない
症状
- 手のひらや足の裏に赤い湿疹ができる
- 手のひら全体が赤く腫れあがったようになる
- 熱はでない、でても微熱程度
- 強いかゆみを伴う
- 赤くもりあがった湿疹ができる
対処法
- 自然に治る場合が多い
- かゆみがひどい場合は小児科や皮膚科でかゆみ止めを処方してもらう
- 治り始めると皮膚がカサカサになるので保湿する
予防法
- 原因がわかっていないので特になし
手掌紅斑(しゅしょうこうはん)
原因
- 肝臓疾患が潜んでいる可能性がある
- その他白血病、慢性関節リウマチなどが疑われる
症状
- 指の付け根が赤く腫れあがる
- 親指と小指の付け根のふくらみが不自然に赤なる
- 手のひらの赤みと共に倦怠感や食欲不振があれば急いでかかりつけ医に診てもらう
- 手のひら全体ではなく、付け根だけが赤くなる
対処法
- 大きな病気のサインなので、かかりつけ医に診てもらう
予防法
- 隠れた病気によって異なる
子供の手足に湿疹が!かゆみはあるの?
子供の手のひらだけではなく、足にも湿疹ができることがありますが、かゆみがない場合があります。
また手のひらの湿疹も赤くなるだけで、かゆみがない病気もあります。
かゆみがあるかないかだけでも病気の判断材料になるので、かかりつけ医に診てもらったときに伝えてください。
また、手のひらは見る機会が多いので、かゆみがなくても気づくことはできます。
しかし、足の裏まではそうそう見ることがないので、気づかない場合もあります。
もし手のひらに湿疹ができてしまったときは、足の裏も湿疹ができていないか疑ってください。
子供が手のひらをかゆがるときはどんなケアが必要なの?
湿疹ができたときは場所に関係なく刺激を与えないことが一番ですが、手のひらでは難しくなります。
少しでもかゆみを抑える、長引かせないようにするにはどんなことをしてあげればいいのでしょう。
- 砂場などの手にウイルスや菌が入ってしまいそうな場所は避ける
- 薬を塗った後はベタベタするので綿などのミトンや手袋をつける(白癬の場合は医師と相談する)
- 患部を冷やす
- 手洗いの石鹸やシャンプーは刺激の少ないものに変える
さいごに
子供の手のひらに湿疹ができてしまって一番厄介なのは子供に「手を使わないで」と言えないことです。
手を使わないことは大人でも難しいですが、子供にとっては更に難しいこととなります。
あまり意識させすぎても手のかゆみにばかり気がいってしまうので、湿疹によくないものがありそうなら先回りして回避してあげましょう。
細かいことまで気にしないといけないのでお母さんはとても疲れると思いますが、少しのお母さんの気遣いで子供の湿疹はずいぶんとよくなります。
湿疹がよくなるまでは大変ですが、子供の行動を細かく見守ってあげてください。