幼稚園や保育園に行くことが、「楽しみで仕方がない」子供さんがいるのと同じように、幼稚園や保育園に「行くことが嫌で仕方がない」子供さんもいます。
一口に園児といっても、2歳と6歳では全然違いますよね。
ここでは、年少さんと年中・年長さんの二つに分けて考えていきたいと思います。
保育園・幼稚園を嫌がる子供の行きたがらない登園拒否の心理と、そのときに親がすべき対応を、年少、年中~年長(2・3・4・5・6歳)別にご紹介します
記事の後半では、先輩ママさん達が子供が幼稚園・保育園に行きたがらない問題を解決した体験談を紹介していますのでぜひご覧ください。
登園拒否の心理は?
登園拒否の心理・理由としては、次のようなものが考えられます。
こういった保育園・幼稚園に行きたがらない心理や理由を知ることが、登園拒否を解決するための近道となります。
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ただこの時、「うまく言えないけれど ”なんとなく行きたくない” から、そう言って泣くより他に方法がない」場合も十分考えられます。
年少さん(2歳、3歳、4歳)
子供は「泣く」「暴れる」、あるいは「行きたくない」と言うことができても、なかなか「どうして」行きたくないのかは言えないものです。
特に4歳くらいまでの小さな子供に、明確に行きたくない理由を説明するのは難しいことでしょう。
言葉だってようやく覚えたばかりなのに、自由に扱うなんて、あまりにも難しいことです。
親としては「行きたくない」なんて言われたら気が気じゃないですよね。
だけどそれは、そう言えるくらい、親御さんのことが好きで甘えていることの裏返しです。
もしお父さんお母さんが嫌いだったら、子供はなんにも言わずに登園することでしょう。
そう考えれば、そんなにも親子関係が強固なんだと、喜ぶくらいでいいのかもしれないです。
小さな子供が親と離れることに抵抗を示さないことの方が、心配ではないでしょうか。
入園・進級したばかりの時
■ ある程度は慣れるしかない
入園や進級したばかりの場合は、慣れていないことが行きたくない一番の原因だと思います。
対応方法としては、これはもう「慣れる」しかありません。
新しい先生・新しい教室・新しいお友達。
なにもかもが新しい世界。大人だって尻込みしてしまいますよね。
でも楽しみなことだと、お話してあげてください。親が園に対して不安に思っていては、子供に移ってしまいます。
「帰ってきたら、どんな楽しいことがあったか教えてね」ってお願いしてあげてください。
園が楽しいものだと、親が子供に伝えることも大切です。
行くときに泣いていた子供に対しても、お迎えの時は満面の笑顔で再会してください。心配そうにしていては、子供はもっと心配になってしまいます。
「今日はどんな楽しいことがあったの?」と、積極的に子供にいいこと探しをしてもらいましょう。
少しずつ、慣れていくこと。
親にとっても子供にとっても、それが大事なんだと思います。
入園進級して、ある程度経ってから
■原因を見極めてから対応する
入園進級して、ある程度経ってからの突然の「行きたくない」。
こちらはなかなか強敵です。
なにしろ子供は理由を明確に話すことは難しいですから、保育園・幼稚園へ行きたくない原因を見極めて、それに対して冷静に対応することが大切です。
体調が良くない
■ まずは体調を気にしてあげて問題なければ、先生に相談して他の原因を探る。
まずは体調を気にしてあげてください。
具合が悪いことをうまく伝えられずに「行きたくない」と表現している場合も多いです。
体調の問題でないと分かれば、担任の先生に相談してみてください。
行きたがらないことを伝え、様子を観察してもらってください。
理由そのものは分からなくても、ヒントになることは見つかるはずです。
お友達とうまくいっていない
■ 先生に相談して仲介してもらう
お友達とうまくいっていないようなら、先生に仲介してもらうのが良いと思います。
距離を開けた方がいいと先生が判断したら、そうしてくださるでしょう。
苦手なことがある
■ 親子で練習して絆を深める
保育園・幼稚園でのお遊戯などで、苦手なことがあることが原因の場合もあると思います。
これはお家でも練習してみるなど、親子で少しずつ克服していく努力が必要になるでしょう。
でも小さいうちに、苦手を親子で克服する経験を作れたら、今後の親子関係がより良いものになっていきますから、これはむしろビッグチャンスだと思います。
先生が苦手
■思い切って休ませるのも一つの手
難しいのは先生を苦手に思っている場合ですね。
これは小さい子供は上手に説明できませんし、親としても先生に指摘するのは心苦しいですし。
でも先生と子供も性格の合う合わないがあるので、どうしてもこういうことはあると思います。
この場合は、状況をよく見て、子供がどうしても先生を苦手そうなときは、親が大丈夫なら思い切って少しの期間お休みさせてみるのも一つの方法です。
お休みの後は、先生も心配してくれて接し方が変わったりしますし、子供も成長して変化してうまくいったりすることも考えられます。
年少期の「行きたくない」は、子供の表現方法の一つとして捉えてあげてくださいね。
年中(4歳、5歳)、年長さん(5歳、6歳)
ある程度言葉を操ることができるようになっている年中(4歳、5歳)・年長さん(5歳、6歳)でも、「園に行きたくない」ことは言えても、理由を親に分かるように伝えるのは難しいことだと考えてあげてください。
理由を聞き出そうと「どうして?」としつこく聞くのは良くないそうですが…聞いてしまいますよね。
ただ、親の想像で尋ねるのはいけないと思います。
例えば「〇〇くんと仲良くできないから?」とか「■■先生が怖いから?」とかいうように具体的な言葉を出して聞くと、たとえそれが本当の理由でなくても、子供は安易にそれにのっかってきたりしてしまいまいがちです。
対応方法は?
■「行きたくない」という気持ちを尊重する■ 子供を安心させてあげる■ご褒美や楽しいことを用意してあげる
子供の性格によって、するべき対応は変わってくるとは思いますが、まずは「行きたくない」と言った子供の気持ちを否定しないであげましょう。
それから下に弟妹がいる場合は、がんばってその子と親だけの時間を作る努力をしてください。
本当の理由がなんであれ、子供を安心させてあげることが大事です。
園には、行きたくなくてもできるだけ続けて行かせた方が良いとは思います。
年中・年長ともなれば「行った方がいい」ことくらいは理解しているはずです。
「がんばって園に行って、帰ってきたら~~しよう」とご褒美を提案したり、「園が終わったら▽▽くんと一緒に遊ぼう」と楽しい出来事を作ってあげたり、楽しいイメージをさせるようにしてみてください。
こういう方法で行けるのであれば、だんだん行きたくない訴えも収まってくると思います。
年中・年長さんの「行きたくない」には、言葉でなく態度で寄り添ってあげてくださいね。
子供が保育園・幼稚園に行きたがらない登園拒否問題を解決した【体験談】
ここでは、先輩ママさんたちが、登園拒否問題を解決した体験談をご紹介します。
「登園拒否問題をどのように解決したのか」のアドバイスも一緒に頂いておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
ママと離れるのが寂しい
1. ハンドルネーム:みー 2. 年齢:30歳 3. 職業:会社員 4. 子供の年齢:2歳、1歳
我が家には年子の姉弟がいます。 娘が1歳8ヶ月、息子が8ヶ月の時に会社復帰となり、保育園に預けることになりました。 息子はまだ小さくてよくわかっていなかったのか、割と普通に過ごしていましたが、問題は娘の方。 やはり2歳近くともなれば、ママと離れたくない!と強い自我が出てきました。 保育園のある道に差し掛かると、車の中で大泣き、イヤイヤのオンパレードでした。 最初は仕方ないと思っていたものの、その状態が3週間ほど続き、さすがにどうしようかと考えました。 私が試したのは、朝いつもより30分早く起きて、仕事や雑用をこなしてしまうこと。 家事こなしてから子どもたちを起こし、のんびり時間を過ごすことで、私自身もゆったりとした気持ちになれました。 食事の後は、出発ギリギリまで2人の子どもたちと抱き合ったり、触れ合い遊びをしたり、絵本を読んであげたり、とにかく最大限に関わります。 残った家事があっても後回しです。とにかく子どもを優先させました。 すると4週目に入った頃から、段々と日中泣かずに過ごせるようになり、2ヶ月を過ぎる頃から、送り〜お迎えまで、1度もぐずることがあなくなったそうです。 そんなに難しい事はやっていませんが、効果テキメンでした! また、別れ際に親が不安そうな顔をしないことも大切だと思います。 子どもは敏感で、思った以上に気をつけています。 これから楽しい時間(保育)だよー!今日はどんな楽しいことがあったか教えてねと言いながら笑顔で別れます。 現在、入園から8ヶ月経ちました。たまに寂しそうな顔はするものの、すぐに元気に遊び出すようになりました。 |
ママと離れるのが寂しくてバスが来ると逃げる
1. ハンドルネーム:えりんご 2. 年齢:30歳 3. 職業:専業主婦 4. 子供の年齢:5歳
5歳の息子は年少の入園式から登園拒否を起こし、その期間約2年でした。 バス通園だったのですがバスがくる直前には、洗面所に鍵を閉めて閉じこもったり二階の部屋に脱走をして毎日追っかけ回していました。 しかし強引に抱っこでバスに乗せようとすると泣いて暴れるものですから、おしっこを漏らし私の服がおしっこでビチャビチャになることだってありました。 なので、制服も着ず毎日パジャマでの登園になる日も・・・。 年中さんになる頃には力がありますし、バスに乗せられては窓ガラスを叩いては暴れ泣きわめく姿が見られました。 他のお友達は笑っていましたし、他の保護者からも話題にされるほどうちの息子は手がかかっている状態で、帰りには「無理やり登園させた私の顔など見たくない」とバスに降りたらどこかへ脱走するほどでした。 解決策としてはまず、なぜ行きたくないのかをちゃんと把握することだと思いました。 親としては「泣く我が子のことが恥ずかしい」、「他の子どもが羨ましい」と思うことはありますが、絶対に「他の子はちゃんとしてるのにや恥ずかしい」などと言ってはいけません。 そして絶対に責めないこと。 「お兄ちゃんだからお姉ちゃんになったのだから」と言うと余計に子どもも辛くなります。 登園拒否する大きな理由のひとつは、お母さんと離れたくないからです。 お兄ちゃんお姉ちゃんと言っても幼い子どもなので、甘えたいのは当たり前です。 私は息子に「離れていても心は一つ」と言って、その日に起きた出来事は先生からこっそり教えてもらい、給食は献立表をこっそり隠し息子の出来事や給食メニューをあたかもどこかで見ていたように演じたら、息子は喜んでなぜ知ってるのかを聞いてきました。 「心は一つって言ったでしょ」 この言葉は今年少にいる弟にも息子は言ってます。 やっぱりお母さんとどこかで繋がってる…それが子どもの安心に繋がるのだと思います。 |
同じクラスのお友達に苦手意識?
1. ハンドルネーム:まるこ 2. 年齢:31歳 3. 職業:専業主婦 4. 子供の年齢:5歳
我が家の娘は、年中さんから通い始めた2年保育組です。 同じクラスには、もちろん年少さんから通っている3年保育組さんがいます。 同じ歳なのに、何かと先輩風を吹かせてくる彼らに、娘は少し身構えるようになり、入園して1週間ほど経ってから、突然幼稚園に行きたくないと言い出しました。 身体にも蕁麻疹が出ていたので、しばらく幼稚園を休ませることにしました。 小児科に行って薬をもらうと、数日後にはすっかり治ったのですが、娘は登園を渋ります。 そこで私は、自分なりに次のようなルールを作り、娘の様子を見ることにしました。 ●幼稚園がイヤな場所になると困るので、無理に連れて行こうとしない。
数日、家で遊んでいたのですが「ママはそれほどかまってくれない」「先生やお友達もいない」ということに気がついたのか、娘から幼稚園に行きたいと言い出しました。 要するに、家庭を楽しすぎる場所にすると、幼稚園に行く意味がなくなると思うのです。 もちろん子供にとって、安心できる場所である必要はありますが、幼稚園で遊んだり、工作をしたり、お弁当を食べたりということは、ひとりよりみんなでやるほうが楽しいと、感じてもらいたいのです。 |
お友達とケンカ
1. ハンドルネーム:まり 2. 年齢:30代後半 3. 職業:主婦 4. 子供の年齢:5歳
息子が年少さんなりたての時に、話すようになったクラスの親子がいました。 結構気があったので、幼稚園あとにちょこちょこ遊ぶようになりました。 そうしていくうちにだんだんと息子が幼稚園で喧嘩になっていることを聞くようになって、その相手がその仲良くしていた子だったのです。 息子はやられてしまう方だったのですが、だんだんとぶたれるから行きたくないといいだし、幼稚園後の遊びも誘われてもやんわりと理由をつけてことわるようになってきました。 ママ同士は今までどおり仲良くしていたのですが、息子とそのお友達は、もともと性格が違ったみたいで、私はてっきり仲良くしているものだと思って、息子があまり仲良くないということをきづかずに無理やり遊ばせてしまっていたみたいです。 ママ同士が気があっても、子ども同士があうかあわないかというのもあるんだなと考えるようになりました。 それからは、ママ同士は普通に話していても、息子たちはそれぞれあうこと遊ぶという感じにしました。 そうすると、息子も行きたくないとは言わなくなり、時間が経つにつれて、この子達は合わないのかなと思っていたのですが、まただんだんと仲良くなってきてきました。 年中さんになってクラスが離れてしまったのですが、それからは適度な距離とか、自分たちで遊び方がわかってきたのか、すごく仲のいい同士になっています。 親同士が仲良くても子供もだんだんと自我がでてくるので、自分でちゃんとお友達をみつけてくるんだなと感じました。 |
先生が苦手・怖い
1. ハンドルネーム:こなつ 2. 年齢:35歳 3. 職業:専業主婦 4. 子供の年齢:5歳
4歳で入園した娘はとても優しい女性の先生に担任され、毎日とても元気に通っていました。 これは先生との相性としか言えなかったのですが、先生の言葉は魔法の言葉のように吸収してき、家でもとてもしっかりと先生から教えてもらったことを実践したり、とても前向きに元気に通っていました。 が、次の年、ちょっと怖い男の先生に担任が変わり、初めて、大きな声でお友だちが叱られるのを目の当たりにして、怖くなってしまいました。 先生が悪いわけでは消してありません。 男の先生はとても貴重な存在で、担任になってくれて、新しい刺激になればと楽しみにしていたのですが、父親以外に接するはじめての男性、我が家はおじいちゃんがいないのでなおさら、恐怖が起きたようでした。 怒らないといけないことを怒っているだけなので、先生には何も落ち度はなく、ただ、声が低いことが余計に怖いと、行くのをとても嫌がるようになりました。 先生もご自身が男性ということで、保育に関しては様々な悩みを乗り越えてこられたベテランの先生、私の娘の反応にもとても理解を示してくれ、ゆっくり解決していこうと協力してもらえました。 私としてもこの先生で卒園したいと思って信頼し、毎朝一緒にご挨拶してお話して、と少しでも私と三人で関わる時間を作ったり、園長先生や副担任の先生にも手伝ってもらい、一学期が終わる頃には先生大好きになっていました。 ダイナミックな遊びをしてもらったことが、怖いから楽しいに変わったきっかけだったと思います。 親が勝手におろおろしたり、原因を毛嫌いすることなく、また先生の懐の深さがあったからこそ、乗り越えられたと思って感謝しています。 |
おわりに
「行きたくない」と言われると、親としては本当に辛いものです。
取り乱してしまいがちですが、こんな時こそ落ち着いて、子供の気持ちを受け止めて上げて下さい。