1歳頃になると、つかまり立ちやはいはい、歩くことができるようになってきて行動範囲がかなり広がります。
いままでは何をしても可愛らしかったのが、赤ちゃんから幼児へと移行してくるこの時期は、イタズラが目立ってきてつい大きな声で叱ってしまったりしますよね。
この時期は、まだ言葉も上手に話せないし、意思疏通もうまくできません。
「注意しても分からないんじゃないの?」「どうやってダメなことを教えたらいいかわからない」と、子どもの叱り方やしつけの仕方に悩んでいるパパやママも多いと思います。
そこで今回は、[1歳~1歳半]子供の良い叱り方、ダメな叱り方!しつけはどこまで?ということで、1歳~1歳半頃の子どものイタズラの特徴や叱り方について、解説していきます。
上手な叱り方とダメな叱り方
一言に“叱る”と言っても、大きな声で一喝(怒鳴る)すればいいというわけではありません。
何も分からない子どもがただ遊んでいただけなのに、それに対して怒るというのはちょっと違いますよね。
叱り方にも、良し悪しがあります。
良い叱り方
真顔で、低い声でゆっくりと「ダメ」と言う
いつも話しかける時と違う表情や声
で注意すると、子どもは“いつものママと違う”と感じます。
話や意思疏通ができなくても、大好きなママがいつもと違う様子であれば、1歳頃の子どもでもドキッとするのです。
これを繰り返していくうちに、「これはダメな事なんだ」と気づくようになります。
ジェスチャーを交える
この頃は叱るというよりも、身ぶり手振りを交え大きなリアクションで伝えると、子どもにも伝わりやすいです。
例えばおしりふきをたくさん出して遊んでいたのなら、おしりふきを子どもの目の前で指差し、体の前で大きなバッテンを作って「ダメ」と言う、というような感じです。
こういったジェスチャーは、毎回同じようにしましょう。
同じ「ダメ」でも、毎回違うジェスチャーだと子どもは混乱します。
こうすることで、子どもは何に対してどういうことを言われているのかが分かります。
ダメな叱り方
ふだん話しかけるのと同じ調子で注意する
ふだん話すときと同じ調子で注意しても、言葉のわからない子どもにとっては「ママが話しかけてくれてる」と感じているだけです。
むしろ、「遊んでくれてる!やったー!」と、悪いことだと分からずに繰り返してしまいます。
子どものしたことを何でもかんでも叱る(子供のしつけをどこまですればいい?)
まだこの時期の子どもは、悪い事だと分かっていない事が多いです。
遊びの延長で触っていたら、それがママにとってはしてほしくない事だっただけなんです。
このような事を全て叱っていては、子どもはいい事と悪い事の判断がつきません。
叱るのは、「怪我をする恐れのあるとき」「わざと他人に迷惑をかけるとき」にしましょう。
子供のしつけをどこまですればいいのか?と悩むときには、この2点を基準にするのがおすすめです。
例えば、はさみを持っていたり、危ないところに上ったり、わざとお茶を誰かにかけたりしたときは叱ります。
しかし、わざとではなく手が当たってお茶をこぼしてしまったり、畳んだ洗濯物をぐちゃぐちゃにしていたり、という場合は叱らずに原因となるものを避けておくといいですね。
叱らなくて済むために
叱り方について書いてきましたが、叱るという事は、親にとっても子どもにとってもストレスになります。
出来ることなら叱らずに済めばいいですよね。
上記にイタズラの例を挙げましたが、ほとんどが置く場所や対策次第で防げるものです。
イタズラや危険の元になるようなものには対策をしておきましょう。
- ハサミなどの触られたくないものや、おやつなど子どもが欲しがるものは、手の届かないところに見えないように隠しておく
- 窓やテーブルの近くの床に踏み台になりそうなものを置かない
- 電気ポットやケトルなどは、コードを触られないようにしておく
- 台所や階段の手前にゲートを設置する
- テーブルの上は整理整頓し、物を置かないようにする
- リビングにローテーブルやごみ箱、観葉植物などは置かない
- 代わりに、触ってもいい物や安全なものを与える
この他にも、おうちの中を見渡したら、まだ対策できるものがあると思います。
子どもの成長は早く、知識の吸収もとても早い時期なので、昨日まで手が届かなかったものが今日になると届いて勝手に触っている、なんて事は筆者も良く経験してきました。
特に、子どもの目線から物が見えていると欲しくなっていろんな手を使って取ろうとするので、見えないように隠してしまうのが効果的です。
筆者の子どもの場合、歩き始めるこの時期は何かに上るのが大好きでした。
なのでローテーブルや不安定な箱などは撤去し、代わりに大きめのあまり高さのない段ボールに新聞紙を丸めて詰めたものを用意しました。
喜んで上ったり降りたりを繰り返していましたよ。
1歳~1歳半ごろでは、どんなイタズラをされる?
子どもにとってはどんな物でもおもちゃになり、イタズラの対象になります。
予期せぬところでイタズラをされることもあります。
男女別の特徴と、この頃によく見られるイタズラの例をあげてみましょう。
男の子のイタズラの特徴
- 物を投げたり倒したりする
- おもちゃなどで人や物を叩く
- 積んでいるものは壊す、箱に入れてあるものはひっくり返す
など、ダイナミックな事が大好きな傾向があります。
女の子のイタズラの特徴
- 綿棒などの細かいものを全て出す
- タンスや台所の引き出し探索
など、細かいものやママがよく触っているものに対してイタズラをする傾向があります。
男女共通のイタズラの特徴
男女別に特徴を挙げましたが、この時期は男女の違いはあまりなく、下記のようにみんな同じようなイタズラをすることが多いです。
- ボックスティッシュやおしりふきをたくさん出して遊ぶ
- 何でも口の中に入れる
- わざと飲み物をこぼしたり、食べ物で遊んだりする
- 椅子や踏み台になるものの上に登ってテーブルの上の物を触る
- ごみ箱の中を漁って散らかす
- 紙類を破る、ちぎる
- 大きい声を出して騒ぐ
- 人の物を盗む
なんでしてほしくない事ばかりするの?
おもちゃで遊んでくれたら助かるのに、そうはいかずにママが困ることばかりするのが子どもですよね。
子どものイタズラにはちゃんと理由があり、心が育っている証拠なんです。
この時期の子どもは赤ちゃんの時とは違って、自由に思いのままに手足が動かせるようになり、行きたいところに行ってやりたいことをしたいんです。
「あれは何だろう」「どうなってるんだろう」「ボタンを押したらどうなるのかな」という、好奇心でいっぱいです。
手や足や口で確認し、あれこれと試してみて学習していきます。
この作業は自発性や積極性を育むもので、とても大切なことなんです。
「こんなにイタズラばっかりして、うちの子はおかしい」「発達障害なんじゃないか」と思うママもいるかもしれませんが、心配をする事はありません。
成長していく課程において誰もが通る道です。
さいごに
まだまだ赤ちゃんだと思っていても、子どもはどんどん成長していきます。
1歳半にもなると、大人の言っていることも少しずつ理解出来るようになり、ダメなことも言われれば分かります。
「まだ分からないだろうな」と諦めずに、根気よく続けましょう。