「痒み」というストレスは、大人でも我慢するのは大変ですよね。
かいてはいけないと分かっていても、寝ている間などについついかいてしまいます。
我慢するのは大人でも難しいのですから、子供が我慢するのは無理に等しいと思います。
痒がっている子供を少しでも楽にしてあげるには、どんなことをしてあげればいいのでしょうか。
痒みがでてからの処置はもちろんですが、日常的なケアも知っておけばひどくなる前に治すことができます。
そこで今回は、子供が全身を痒がる!かゆみを抑えるためにできることということで、子供が全身の痒みを訴えるときの対処法、予防法などをまとめましたのでぜひ参考にしてください。
子供の全身に発疹がでたとき、かゆみを抑えるには?
子供が痒みで苦しんでいる様子はかわいそうで、何かしてあげたいと思いますよね。
では、痒みを抑える為に効果的なことは何でしょうか。
からだを温めすぎない
温めすぎると痒さが増すので、患部は冷やすようにする
外出するときは長袖、長ズボンにする
日光に当たると痒みがひどくなる場合があるのと、跡が残りやすいため。
皮膚を清潔に保つ
汚れや汗は発疹に刺激になるので洗い流したりこまめにふき取る
お風呂(湯舟につかる)は控える
体が温まると血行が良くなって体が痒くなるのでシャワーにする
乾燥に気を付ける
かさぶたや肌がカサカサしているところはたっぷり保湿する
痒さを抑える為に患部を冷やしたりこまめに汗を拭きとることは面倒ですが、一日に何度も行わないと効果がありません。
肌を保湿したり清潔にすることは発疹が良くなった後も必要なことなので、習慣にしておいて損はありません。
ケアする際に子供の体をよく観察することも習慣づけられるので、いろんな病気に早く気付くこともできますよ。
肌のバリア機能を高めよう!
感染症による発疹の予防はワクチンの接種と、マスクやうがいをすることしかありませんが、その他の肌トラブルには肌のバリア機能を高めることが予防になります。
肌の状態が悪いと感染症にかかってしまったときに発疹が悪化しやすいので、肌がきれいで強い状態にあることは非常に大切です。
スキンケア
- 石鹸をしっかり泡立て、汚れをやさしく洗い流す
- お風呂からあがったあとは5分以内に保湿剤をたっぷりと塗る
掃除の仕方
- 掃除機だけではホコリが舞うので、拭き掃除 → 掃除機 → 拭き掃除 の順で掃除をするとホコリが舞わずに済む
- ブランケットや布団はできるだけ洗濯機で洗う
- クッションやカーペットにはたくさんのアレルゲン物質が潜んでいるので、できるだけ使わない
- 布団はカビないようにこまめに干す
過労やストレスには気を付ける
過労やストレスも肌に悪影響を及ぼすため、適度な休息やストレス解消を心がけてあげましょう。
子供が全身を痒がるときに気を付けることは?
子供が発疹で痒がっているときに気を付けることはどんなことがあるのでしょうか。
かき破らないようにする
かき破らないようにするためには、最低限、爪を短く丸く切るようにすることが大切です。
衣服やタオルでひっかけて水疱を破らないようにする
通気性がよく、肌触りの良い素材で、長袖長ズボンにするのがおすすめです。
水疱を破らないように衣服に気を付けることで、悪化を防げます。
また、水疱への摩擦を避ける為にできるだけ肌の露出は控えます。
口の中に発疹ができているときは刺激物は避ける
のどの内側にもできていることがあるので、のどごしにも気を付けましょう。
子供の全身に湿疹が!かゆみがある場合にはどんな病気が隠れている?
子供の全身に湿疹が出てしまい、痒がっているときはどんな病気の可能性があるのでしょうか?
- 麻疹(ましん)、はしか
- 水痘(すいとう)、みずぼうそう
- 溶連菌感染症(ようれんきん)
- 風疹(ふうしん)、三日ばしか
- アトピー性皮膚炎
これらの病気は全身のかゆみの一例ですが、詳しくご紹介していきます。
麻疹(ましん)、はしか
症状
- 発熱、鼻水、くしゃみといった風邪に似た症状
- 顔→脚→手の順に発疹が出る
- 高熱(40度近い)がでる
- 頬の内側に白いブツブツができる
- 重症になると肺炎や中耳炎、脳炎の恐れがある
原因
- 麻疹(ましん)ウイルスで感染する
- 空気感染、飛沫感染による
治療法
- 麻疹の疑いがあるときは必ずかかりつけ医に診てもらう
- 食欲がなくなるので口当たりのいいものを与える
- 熱が続くときは服を着替えさせる、脇を冷やすなどして快適に過ごせるようにする
予防法
- ワクチンの接種が必要
- とても感染力が強い
- 麻疹の疑いがある人と接触したときは、72時間以内に予防接種を受けると発症を防ぐことができる可能性がある。
水痘(すいとう)、みずぼうそう
症状
- 潜伏期間は14日
- 微熱 → 赤い湿疹(ブツブツ) → 少しもりあがったブツブツ → 水膨れ → かさぶたと進んでいく
- かゆみの強い水膨れができる
- 感染力が強いので次々と人にうつる
- 高熱が2~5日続くこともある
- 新しいブツブツがどんどんできる
原因
- 水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルスが原因
- 体液や水痘の飛沫などで感染する
治療法
- かゆみ止めの飲み薬や塗り薬を処方されるので、かかりつけ医に診てもらう
- かきこわさないように爪を短く切る
- 皮膚を清潔にしておく
- こするように拭いたり洗ったりすると悪化して跡がのこってしまうので、軽く押さえるようにする
予防法
- 任意の予防接種を受ける
- 水痘にかかった恐れのある人と接触したときは、3日以内のワクチン接種が有効
溶連菌感染症(ようれんきん)
症状
- のどが痛くなる
- 熱が出る
- 皮膚に赤い湿疹(ブツブツ)ができる
- 目が赤く充血して舌に赤いブツブツができる、イチゴ舌になる
原因
- 溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)という細菌による
- 細菌が感染すると毒素をだすため
治療法
- 迅速診断キットを使うと10分くらいで診断が出る
- 10日から2週間の間、抗生物質を飲む
- 溶連菌は再発しやすいので勝手に判断して抗生物質を飲むのをやめない。薬は飲み切るようにする
予防法
- 兄弟で感染しやすいので、同時に抗生物質を飲んで予防する
風疹(ふうしん)、三日ばしか
症状
- 潜伏期間は14~21日
- 全身にひろがっていく赤い発疹(ブツブツ)
- リンパ腺が腫れる(後頭部、耳のうしろなど)
- 風邪のような症状が出ることもある
- 妊婦がかかってしまうと、胎児に影響が出る可能性がある
原因
- 風疹ウイルスによる
- 飛沫感染
- 発疹が出ているときが一番うつりやすい
- 数年おきに流行する
治療法
- 自然に治るが、小児科に診てもらい、症状を軽くする治療をおこなう
- 3兆候(発疹、リンパの腫れ、発熱)のどれかが症状として出ない場合は、診断が困難になる
- 熱がなく、元気でも自宅で過ごす
予防法
- 予防接種を受ける
- 飛沫感染なのでマスクや手洗いをする
アトピー性皮膚炎
症状
- 皮膚が赤くなったりカサカサして痒くなる
- 赤ちゃんのうちは顔、頭、首などにでやすく、少し大きくなると手足の関節の部分や引っかきやすいところにでる
- 症状が慢性的によくなったり悪くなったりを繰り返す
原因
- 原因は多岐にわたる
- 皮膚のバリア機能の低下
- アレルゲン物質(ダニ、ハウスダスト、ペットのフケ、カビなど)
- 過労
治療法
- ステロイドの塗り薬を医師の指示に従って、効果的に使っていく
- 良くなったからといって、勝手に塗り薬の使用をやめない
予防法
- アレルゲン物質を取り除く
- 皮膚のバリア機能を高める
- 毎日シャワーで汚れを落とす
ご紹介した病気はほんの一部です。
全身に広がる発疹を見つけたら、すぐにかかりつけの小児科を受診しましょう。
さいごに
大人になったときの肌の質は子供の頃に決まると言われているので、大人になって苦労しないためにもしっかりケアしてあげたいですよね。
毎日何度も保湿剤を塗ってあげたり肌の状態を観察したりと、お母さんは自分のことよりも子供のお世話ばかりで大変ですが、今しっかりケアすることが大事です。
毎日のケアを継続して続けていきましょう。