私立の幼稚園に通っていると、12月~3月頃に私立幼稚園就園奨励費補助金(幼稚園補助金)がもらえます。
「所得が高いともらえない」と聞きますが、お金の問題はデリケート。
さすがにママ友に「年収いくらくらいだと補助金が出ないの?」とは聞けませんよね……。
そこで今回は、幼稚園補助金はいくらもらえる?もらえない年収(所得制限)はある?ということで補助金の額が気になる方のために、おおよそいくらくらいもらえるのか、いくら以上の年収だともらえないのかなど詳しくお話していきます。
幼稚園補助金はいくらくらいもらえる?
▶最高額は308,000円、平均的な家庭は115,200円
▶幼稚園に支払っている以上の金額は貰えない
▶自治体によって支給額は違うが、市民税の所得割額で決定する
補助金額はどうやって計算しているのでしょうか。
ほとんどの自治体が世帯の市民税の中の「所得割額」から計算しています。
……って言ってもピンと来ないですよね。
所得割額は簡単に説明すると前年の所得額から計算する住民税額で、基本的には前年の所得が多ければ多いほどたくさん支払います。
住民税を多く支払っている方=所得の多い人→補助金が少なくなる(貰えない)という構図です。
計算は各自治体によって違いますし、同じ年収の人でも家族構成やその他の控除の状況によって違うので、一番確実なのは自分の世帯の所得割額をいくら払っているのかを書類で確認することです。
この「所得割額」がいくらかは、住民税の通知書に書かれています。
▶ 会社から住民税を天引きされている方:会社から配られる「住民税(市民税・県民税)特別徴収税額の通知書」に記載されています。
▶ 上記のものがない方:役所に行って「課税証明書」をもらうと、明細がついています。
※ 共働きの世帯や祖父母と同居で生計を共にしている場合は、世帯の所得割額の合計です。
あとはその「所得割額」と各自治体の補助額一覧表を照らし合わせるだけです。
ここで福岡県福岡市の平成29年度の区分例を見てみましょう。
引用元:福岡市役所
こちらの表はちょっと複雑なので、表を加工して読みやすくしました。
まずこの表では、AからEに移っていくほど(上から下にいくほど)、年収が多くなっています。
ちなみに所得割額が77,100円なのは、年収で言うと300万弱くらいのご家庭です。
Eの額は高所得者(後に説明しますがおよそ世帯年収700万円くらい)ですので、Dの区分に入る家庭が一番多いのではないでしょうか。
私の周りのママ友の話を聞いても、第一子で「だいたい10万強貰えたよ~」というご家庭が多いです。
もっと細かい区分がされている自治体もありますが、極端にかけ離れている自治体は少ないので参考にしてみてください。
補助金の額について、間違いやすい点をいくつか挙げます。
幼稚園に支払う額以上の補助金は貰えない
補助金額が308,000円と書かれていても、幼稚園に年間支払う額がそれ以下であれば、支払う額以上の補助金はもらえません。
この「幼稚園に支払う金額」は基本的に支払った年間の保育料(学費)です。
細かい算定方法は各自治体によって違いますので間違えないよう確認してください。
年度途中で転入・転出・退園した場合は手続きが必要
幼稚園補助金は自治体が支払うものですので、年度途中で別の市町村に引越しする際は手続きが必要です。
また、退園した場合も、金額の変更や補助金の返還が必要になる場合があります。
認定こども園など、子ども・子育て支援新制度に移行した園は対象外
子ども・子育て支援新制度の園の場合は、保育園と同じように保育料が収入別となり、各自治体の基準によって決められます。
これらの制度を取り入れている幼稚園は私立でも、私立幼稚園就園奨励費補助金は出ないので注意が必要です。
上記の点に注意し、後々で「思ったより少ない」とならないようにしましょう。
幼稚園補助金がもらえない年収は?(所得制限)
▶ 多くの自治体で『市民税の所得割額が211,200円(世帯年収が680万円くらい)を超えると第一子に支給されない』と書かれている
▶ 第二子・第三子は所得制限なくもらえる自治体も多い
▶ 授業料補助金など、所得に関係なくもらえる補助金もある
気になるのは、私立幼稚園就園奨励費補助金(幼稚園補助金)には所得制限があるのかということ。
多くの自治体で、市民税の所得割額が211,200円を超えると第一子に私立幼稚園就園奨励費補助金は支給されないと書かれています。
この所得割額が211,200円というのは、年収だと大体いくらくらいなのでしょう?
所得割額の計算は、家族構成や生命保険控除額など、各家庭環境により変わりますので、一概に年収いくらとは言えません。自治体によっても計算方法が違います。
東京都立川市のHPには、おおよその年収の目安額が記載されていました。あくまでも目安ですが、年収で書かれているとわかりやすいですし、参考になりますよね。
モデルケース
夫婦と子ども2人の4人家族。収入があるのは父で、母は父の扶養になっている。世帯の合算年収 0円~約250万円
市民税所得割額 生活保護および非課税世帯世帯の合算年収 約250万円~約270万円
市民税所得割額 市民税所得割額非課税世帯世帯の合算年収 約270万円~約360万円
市民税所得割額 1円~77,100円世帯の合算年収 約360万円~約680万円
市民税所得割額 77,101円~211,200円世帯の合算年収 約680万円~約730万円
市民税所得割額 211,201円~256,300円引用元:東京都立川市役所
上記を見ると、だいたい一馬力(奥様が扶養内パート)のご家庭だと、立川市ではおおよそ年収680万くらいから所得制限に引っかかることがわかります。
同じ680万でも共働きで稼いでいる世帯と一人で680万稼いでいる世帯では所得割額が違いますし、自治体によって計算も変わりますが、ひとつの目安としては参考になるのではないでしょうか。
それぞれの条件の違いを考えて、だいたい世帯年収650万を超えるご家庭は事前に調べておくと良いかもしれませんね。
第二子・第三子はもらえるパターンも多い
所得制限に引っかかってしまった方でも、がっかりするのはまだ早いです。
「第二子、第三子」は所得があってももらえる、という自治体がほとんどです。
自分の自治体がどんな基準で第二子・第三子になるかチェックしておくべし
福岡市の場合
先ほどの福岡の表を参照にして頂ければわかるかと思うのですが、一番上の区分でも第二子は154,000円支払われます。
ただし、この「第二子・第三子」は、実際の第二子・第三子ではありません。
どういうことかというと、福岡市の場合はD~Eの区分(平均的な所得~高所得者)は、小学校1~3年生の兄姉が居ない場合、実際は第二子でも「第一子」としてカウントされるためです。
横浜市の場合
横浜市などは所得に応じてA~Fまでの6つの区分があるのですが、所得が上の方ほど兄弟は小学校3年までしかカウントしないとか、5歳児の場合は計算方法が異なるとか、細かい規定があります。
自分の住む自治体では、どんな基準で第二子・第三子になるかは必ずチェックしましょう。
所得制限がかからない補助もある
基本的に自治体によっては「入園料補助」「授業料補助」など、所得が高くてももらえる補助があります。
市民税所得割額が211,200円を超える世帯に32,000円~43,600円の授業料補助が出る
ちなみに上の福岡の例でも、所得が多くても第一子に22,000円の補助が出ています。
さいごに
補助金の詳細は、幼稚園や自治体に聞けば丁寧に教えてくれます。
聞くのが恥ずかしいとつい思ってしまいますが、先生や役所の職員の方は質問に慣れていますので大丈夫です。
正確な額が知りたい方は勇気を持って聞いてみてくださいね。