かわいい我が子の成長が遅い・・・。
個人差の範囲内なのか、発達障害や病気があって発達が遅れているのか…育児書通りにいかないと分かっていても、不安になりますよね。
そこで今回は、成長・発達の段階ごとに、赤ちゃんの成長が遅い原因・目安や、障害・病気の疑いがある場合の例などをご紹介しますので、ぜひご覧ください。
首すわり・腰すわり(お座り)
- 首がすわる目安 : 3~4ヶ月頃
- 腰すわり(お座り)の目安 : 6~8ヶ月頃 (※)
(※)
当記事では、「腰すわり=お座り」として扱います。これは、腰がぐにゃっとせずにしっかりと「腰すわり」ができることを判断基準に、「お座り」できるかどうかを医師は判断基準にするためです。
6ヶ月頃から手をついておすわりができるようになり、8ヶ月頃になると手を離しても安定して座れるようになります。
首すわり・腰すわり(お座り)が遅い原因
- まだ首や腰を支える筋肉が発達していない
- 頭が大きくバランスがとりにくい
- 股関節が硬い
- おすわりのやり方が分からない
- おすわりよりも抱っこして欲しい
- おすわりに関心がない
障害や病気の疑いがある場合
- 6ヶ月を過ぎても、首がすわらずほとんど力が入っていない
- うつ伏せにした時に頭が持ち上がらない
- おすわりだけでなく、人の動きやおもちゃなどに対して関心が薄い
- 筋力が弱くおすわりができる気配がない
こういった様子であれば、発達障害や病気の疑いがあります。小児科医や保健師に相談しましょう。
心配しなくてもいい場合
身長・体重が順調に伸びている、あやすとよく笑う、おもちゃでよく遊ぶといった様子なら、首すわりは6ヶ月頃まで、腰すわりは10ヶ月頃までは心配せず様子を見ていいでしょう。
また、練習をしてみてもいいでしょう。
首座りの練習は、赤ちゃんの機嫌の良いときに縦抱きやうつ伏せにしてみます。
その際は必ず大人が付き添い、赤ちゃんの様子を見ながら、苦しそうならやめるようにしましょう。
おすわりの練習は、大人があぐらをかいた足の上やバンボチェアなどに、座らせるようにします。
ただ、おすわりの練習は、生後6ヶ月以上かつ、首が完全に座ってから行うようにしましょう。
はいはい、つかまり立ち、一人歩き
まずは、一般的な成長の目安を見ていきましょう。
- ハイハイ :生後7~11ヶ月ごろ
- つかまり立ち :生後8~11ヶ月ごろ
- 伝い歩き :生後8ヶ月~1歳ごろ
- 一人で立つ(たっち :生後10ヶ月~1歳2ヶ月ごろ
- 一人で歩く(あんよ):生後11ヶ月~1歳半ごろ
このように見ると、目安と言ってもかなり幅がありますね。
はいはいをしない原因
- まだ筋肉が発達していない
- はいはいができるということに気づいていない
- できるのは分かっていても寝返りやずりばいの方が便利だと思っている
- はいはいへの関心が薄い
- 慎重な性格である
つかまり立ちや一人歩きにおいても、これと同じような事が原因として考えられます。
障害や病気の疑いがある場合
発達障害があると発達が遅れる場合が多いですが、発達が遅いからと言って必ずそうとは限りません。
発達障害かどうかは発達の遅れだけでは判断できないので、下のチェックリストも確認しましょう。
- 目が合わない
- 人に興味がなくいつも一人で遊んでいる
- 抱っこしにくい(のけぞったりして嫌がる)
- 人見知りをしない
- 言葉(喃語)が出ない
- 指さしをしない
これらに当てはまると、発達障害である可能性があるので、小児科医や行政の相談窓口に相談しましょう。
しかし、専門医による診断も3歳頃でないとできないことが多いです。
それだけ、個性で発達が遅いのか、発達障害なのかは見分けがつきにくいということです。
発達障害チェックリストまとめ
専門家に相談されたいという場合は、発達障害のチェックリストをまとめましたので、テストしてみるのもいいかもしれません。
広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)
※ 現在、「自閉症スペクトラム障害」と「広汎性発達障害」はほぼ同じとされています。 |
M-CHAT
※対象年齢:1歳半~2歳 <採点方法> ・11、18、20、22:はい・・・1点 ・それ以外の項目 :いいえ・・・1点
下記のいずれかで自閉症の疑いがありと診断されます。 ▶ 全項目:3点以上 ▶ 重要項目(2、6、7、9、13、14、15、20、21、23):2点以上 |
ADHD | ADHD NAVI
ADHD.co.jp・・・受診用のチェックリスト |
自閉症 | キッズハグ |
※ 発達障害は病名がたくさんあって分かりにくいですが、りたりこ発達ナビ様で図解で紹介されていて分かりやすいです。
心配しなくていい場合
これらの発達はとても個人差が大きいので、「標準より遅い=障害や病気がある」というわけではありません。
特に、首すわりや腰すわりが遅かった赤ちゃんは、その後の発達もずれ込むことが多いですが、障害もなく普通に育っていく場合も多いです。
はいはいや一人歩きができるという事に早く気づける赤ちゃんもいれば、ずりばいやはいはいで充分移動できると次の段階に移行しにくい赤ちゃんもいます。
筆者の子どもは2人いますが、上の子はずりばいやはいはいの時期がほとんどなく、つかまり立ち、つたい歩き、とトントン拍子にできるようになり、10ヶ月の頃には一人歩きをしていました。
しかし下の子は、ずりばいの期間が6ヶ月頃~9ヶ月頃と長く、はいはいをしたのは10ヶ月に入る前で、1歳2ヶ月で歩けるようになるまではずっとはいはいでした。
はいはいよりもずりばい、歩くよりもはいはいの方が早くて便利だったのでしょう。
上記のチェックリストのような様子がみられない場合は、赤ちゃんのペースに合わせて見守ってあげて大丈夫です。
言葉
「ママ」「ブーブー」「ワンワン」など、意味のある言葉は、一般的には1歳半頃までに出だすと言われますが、早い子では10ヶ月頃から出始めます。
ちなみに筆者の子どもは1歳8ヶ月頃からやっと単語が出だして、2歳を過ぎた頃に急にペラペラと喋りだしました。
このように、言葉を話すようになるのはとても個人差が大きいです。
[言葉] 障害・病気の疑いがある場合
- 大人の言葉を理解できていない様子である
- 大人の動きや言葉を真似しようとしない
- 「あーうー」「まんまんまん」「ぱっぱっ」などの喃語(なんご)の発声がみられない(喃語、なんご:乳児から出る意味をもたない言葉)
- 聴覚に問題がある様子である
- 身振り手振りでのコミュニケーションがとれない
これらの様子がみられる場合は、小児科医や保健師に相談しましょう。1ヶ月半頃の健診で相談するのもいいでしょう。
医師の判断で、言語訓練をしてもらえる施設などを紹介してもらえます。
[言葉] 心配しなくてもいい場合
上記の通り、意味のある言葉が出る時期は個人差が大きいです。
喃語(なんご)がよく出て、大人の話す言葉が理解できているようなら、3歳くらいまでは赤ちゃんのペースに合わせて様子を見てあげて大丈夫です。
身長・体重
身長や体重は、母子手帳にも記載してある成長曲線を参考に、曲線に沿って赤ちゃんの身長・体重が同じようにゆるやかなカーブを描いていることを確認しましょう。
身長や体重が伸びない原因
- ミルクや離乳食が足りない
- はいはいや一人歩きができるようになり、よく動くようになった
- 両親が小柄
- 低身長症などの成長障害
遊び食べをするようになって食事量が減ったり、離乳食に移行する際に量が足りていないこともあります。
[身長・体重] 障害や病気の疑いがある場合
- 健診で引っかかった
- 急に伸びなくなった
- 理由もなく減っている
このような場合、病気が潜んでいる可能性もあるので、定期健診の時や、小児科で相談してみましょう。紹介してもらった専門医によって、成長ホルモンによる治療などをしてもらえます。
[身長・体重] 心配しなくてもいい場合
成長曲線の帯から少し外れていても、同じように緩やかなカーブを描いていれば問題ありません。
また、はいはいしだしたり歩きだしたりと、運動量が急に増えると一時的に体重の増加が少なくなる子もいます。
特に赤ちゃんのうちは、体調や離乳食の進み具合などで体重に影響が出やすいので、長期的にみてあげるようにしましょう。
さいごに
障害や病気があるかどうかは、ひとつの項目だけでは判断できません。
成長していく過程や、精神・身体の成長の様子を総合的に見て判断する必要があります。
心配な場合は、定期健診や小児科で相談しましょう。
もし、障害や病気の疑いがある場合は、早めに対応することが大切です。