いつも見えない頭皮にも子供の肌トラブルは隠れています。
手や足、顔のように湿疹ができてもすぐには気づかないので気づいたときには悪化してしまっていることも多々あります。
悪化して色んな行動を制限してしまうのは遊び盛りの子供にはつらいことですよね。
では、子供が頭皮をかゆがるとき、湿疹ができているときはどんな病気が潜んでいるのでしょうか。
早く見つけてあげるために症状と原因をしっておくと、対処してあげられる早さが全然違います。
そこで今回は、子供が頭をかゆがる、かきむしる原因と対策は?頭皮のひどいフケは皮膚科に行くべき?ということで、家庭でできるケアの方法や症状別でのシャンプーを選ぶポイントもまとめましたので、まずはできるところから始めていきませんか?
子供が頭をかゆがる!かきむしるほどかゆいときはどんな病気が隠されているの?
子供が頭をかゆがるので髪の毛をかき分けてよく見てみると・・ 赤くなっていたりぶつぶつができていたり、フケが出ていたりと、いろんな症状があらわれていると思います。
まずは子供の頭皮がどんな状態になっているか、よく観察してあげましょう。
次に子供の頭皮の症状と病気の名前をよく見比べて、どんな対処が必要なのかみてみましょう。
子供が頭皮をかゆがっているときは,次のような病気が考えられます。
- 接触性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
- 皮脂欠乏症皮膚炎(ひしけつぼうせいひふえん)
- シラミ(アタマジラミ)
それでは、それぞれの病気について細かく説明していきます。
接触性皮膚炎
原因
- シャンプーやリンスの洗い残しが皮膚に炎症をおこす
- シャンプーがあっていない
- アレルギー反応がでている
症状
- 小さな湿疹
- 赤く炎症をおこす
対処法
- 原因を特定して、アレルギー物質の使用を中止する
予防法
- 頭皮へのダメージが少ないシャンプーに変える
- アレルギーの原因を調べる為にパッチテストをおこなう
- 頭皮は十分に洗い流す
脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)
原因
- 癜風菌(でんぷう菌、マラセチアというカビ)の感染による
- 頭皮の皮脂が過剰に分泌されるためにおきる
症状
- 髪の生え際にべたつきを感じる
- フケがでる
- かゆみを伴う
- 頭皮が赤く炎症をおこす
対処法
- ステロイド軟膏を使う
- でんぷう菌に効く抗菌薬を塗る
予防法
- 規則正しい生活を心掛ける
- 強すぎないようにしっかりと頭皮を洗う
- ビタミンを摂取する
皮脂欠乏性皮膚炎
原因
- 冬場の乾燥
- エアコンの影響による乾燥
- 皮脂を取りすぎるシャンプーの使用
症状
- 細かく乾燥したフケがでる
- 頭皮が薄くなったりひび割れる
対処法
- 保湿剤(ヒルドイドやワセリン)を塗る
- かゆみがひどい場合は外用ステロイド薬を使用する
予防法
- 過度に頭を洗わない
- 高温のお湯で頭を流すと皮脂を流しすぎるのでぬるめにする
シラミ(アタマジラミ)
原因
- アタマジラミに感染したことによる
- アタマジラミが頭皮の血を吸ったときのアレルギー反応によってかゆくなる
- 不潔だから発生するわけではない
症状
- かゆみを伴う
- 頭皮をかくと炎症をおこして赤くなる
- 耳の後ろやえりあしに卵を産み付ける場合が多い
対処法
- アタマジラミ用の駆除医薬品を使う
- 卵に駆除医薬品は効かないので、目の細かいくしで漉き取る
予防法
- 寝具やタオルは共有しない
- プールに入るときは水泳帽を着用する
- 寝具は清潔にしておく
こちらでご紹介できるのはほんの一例にすぎません。
かゆみが強いときや長引く場合は皮膚科や小児科に診てもらいましょう。
子供のフケが気になる・・フケだけなのに皮膚科には行くべき?
子供のフケがポロポロと肩や床に落ちていると気になりますよね。
ほおっておいてもいいような気がしますが、あまりにも多くて目立つようだと皮膚科の受診を考えることもあります。
では、どんなフケがでるときに皮膚科を受診したほうがいいのでしょうか。
- 赤い湿疹ができている
- フケの量が髪だけでなく、肩や床に落ちているのがわかるくらい多い
- 髪をかき分けて、髪の根元にフケのような白いかたまりがある場合(シラミの可能性)
- 髪を洗って1日たたないうちに髪がべたついて束になる(脂漏性湿疹の可能性)
フケの原因はカビやアレルギーの場合もあるので、皮膚科に行かないと改善しない症状もあります。
しかし、皮膚科を受診することはもちろん大切なことですが、皮膚科でもらった薬でも直せない原因があります。
それは生活習慣や頭の洗い方など、家庭でしかできないことです。
薬を使って早く治療をするのはもちろん、食生活や睡眠時間、ストレスやお風呂の入り方など、家庭でケアできるところはたくさんあるので普段から心掛けていきましょう。
子供の頭・頭皮がかゆいときの効果的なシャンプーの使い方
子供の頭皮がかゆいときの家庭でのケアを考えたとき、一番に思い浮かぶのはシャンプーを変えることではないでしょうか。
でもシャンプーを変えることで、本当にフケやかゆみは改善されるのでしょうか?
また、刺激に弱い赤ちゃんにはどんなシャンプーを使えばいいのでしょうか。
頭を洗う時の注意点や選ぶ際のポイントを頭皮の状態ごとにまとめましたので参考にしてください。
頭皮が乾燥しやすい子供
頭を洗う時の注意点
- 強く洗いすぎない
- 指の腹を使って頭皮を洗う
- ぬるま湯でしっかり洗い流す
シャンプーを選ぶ際のポイント
- 洗浄力の強すぎないもの
- できるだけ添加物の入っていないもの
- アミノ酸系シャンプーを選ぶ
頭皮に皮脂が多い子供
頭を洗う時の注意点
- シャンプーを使う前にしっかりと汚れを落とす
- たくさんの泡で洗う
- 洗った後は髪を乾かす
シャンプーを選ぶ際のポイント
- 抗菌作用のある成分のはいっているもの
- 保湿成分が含まれているもの
赤ちゃんの場合
赤ちゃんは生まれてすぐから半年くらいまで乳児脂漏性湿疹(にゅうじしろうせいしっしん)というクリーム色のカサカサしたフケが出ます。
自然に治っていくものなので特に赤くなったりブツブツができていない場合は家庭でのケアをしましょう。
乳児脂漏性湿疹のケア
- できたフケを無理にはがさない
- 大人用のシャンプーは使わない
- 洗うときは優しく泡立てたシャンプーで洗う
- しっかりと洗い流す
- ぬるま湯を使う
感染症は早く気づくことが重要
頭皮は隠れていることが多いので湿疹を見つけるのが難しくなっています。
大人の頭皮に湿疹ができたとしても、たいていの場合は自分で気づくだけで、他人からは湿疹ができているとわからないと思います。
ですので、子供の場合はなおさら発見が遅くなってしまい、子供どうしの二次感染や家族間での感染が進んでしまいます。
学校や保育園などで感染している子がいる、または地域で感染が増えていることを知ったら子供の髪や頭皮をいつも以上にチェックすることを習慣付けましょう。
湿疹に気づかないうちにかき破って悪化してしまうとその後の処置が大変になって治りも遅くなるので、できるだけ早く見つけて早く対処してあげることが大切となります。
さいごに
頭皮の湿疹は髪の毛が邪魔をするのでケアしづらいですよね。
いつも清潔にしてあげたいですが、体育で帽子をかぶったり水泳があったりするのでなかなか治療が進まずにもどかしい気持ちになるかもしれません。
しかし、「どうせなかなか治らないから」と投げやりにならずに根気よくケアしてあげれば放置するよりずっと早くかゆみを抑えてあげることができます。
子供の体調に色々と気をつかうのはとても大変ですが、湿疹を悪化させないためにもこまかなケアを心がけましょう。