シングルマザーだから今すぐ保育園に預けて就職活動をしたい方、一番下の子供が離乳したら保育園に預けて働きたい方、以前の職場は育休に理解がなかったからやめたけれども、産後に職探しをしたい方。
保育園探しと仕事探しの両方をするママさんにはそれぞれの理由があります。
保育園探しと仕事探しはどちらが先の方が良いのでしょう?
それぞれのメリット・デメリットを踏まえてご紹介します。
「保育園が先の場合、就職が先の場合」それぞれのメリットデメリット
▶ 保育園を先に決めると、就職で内定が貰いやすい
▶ 就職を先に決めると、保育園が決まりやすい
▶ よりメリットが多い方を選ぶ
保育園激戦区では「妊娠中から保育園探しをしていたわー!」って声をよく聞きます。
その逆で、「また面接落ちちゃった。預け先がまだ決まってないからかな」という声も。
みんな仕事と保育園、どちらから先に決めているのでしょう?
それは個々の状況によります。
保育園が決まらなくても両親が近くに住んでいて子育てを手伝ってくれる人なら、慌てて保育園を決めなくても仕事から決めることができます。
保育園に空きがあって誰でも入れる地域にいるなら、保育園に子供を預けてから求職をする場合もあります。
メリットとデメリットを比べて、よりメリットの多い方法を皆とっているのです。
まずは保育園を先に決めた時と、仕事を先に決めた時のメリットデメリットをご紹介します。
下記ののメリットデメリットを見て、保育園が先か就職が先か、どちらかを選んでいきましょう。
「保育園」を先に決めた場合
▶ 1. 就活するときに採用を貰いやすい
一番のメリットといえばコレ!
会社としては、保育園がすでに決まっている人とそうでない人では、決まっている人を採用しやすくなります。
親側も発熱時の保育園の対応がわかっていれば、面接時に詳細を相談することも可能です。
▶ 2. 子供が保育園に慣れてから仕事ができる
ワーキングマザーの一番の悩みの種が病気や慣らし保育。
保育園に慣れる間はフルで預けられませんし、保育園に入りたての頃は病気をもらってきやすいのが現状です。
新しい環境に子供が慣れてから働き始められるのはとても助かります。
▶ 3. 時間と心の余裕ができる
面接は大抵昼間の時間ですよね。
毎回毎回預ける人を探して頭を下げながら面接を受けるより、保育園に預けながら就活できるのは心の余裕ができます。
▶ 1. 保育園や自治体が定める期間までに仕事を決めなくてはならない
認可保育園は、一定の期間内に仕事が決まらない場合に保育園を退所しなければならない場合があります。
期限が迫って慌てて職探しをして自分に合わず退職……なんてこともあるので注意が必要です。
▶ 2. 認可保育園の入園選考において、優先度が低くなる
認可保育園に入れたい場合、求職中ですと優先順位が低くなります。
希望の園や希望の園に入園できなかったり、入れても遠い園になってしまうなんてこともあります。
「就職」を先に決めた場合
▶ 1. 認可保育園の入園選考において、優先度が高くなる
激戦区では、フルタイムで働いていても待機児童になることが多くあります。
働いていないと認可保育園に入れない状況なので、就職を先に決めてから保育園を探すと認可保育園に入れる可能性が高くなります。
優先度が高いので、希望の認可園に入れる可能性も高くなります。
▶ 2. 仕事に合わせて預け先を決められる
給料や労働時間などの就労条件がわかっているので、自分の仕事の条件に合わせて預け先を決められます。
例えば残業アリの人は、延長保育が充実している保育園や認可外保育室などを探すことが可能です。
▶ 3. お金の見通しがつく
当然求職中でも保育料はかかってきます。
先に仕事を決めていれば保育料他、さまざまな支払に関して見通しがわかり安心できます。
▶ 1. 保育園が決まらず、職場や周囲に迷惑をかける場合がある
仕事が決まっても預け先が決まらない場合、誰かに預けて働くか仕事を諦めるかになります。
予定外に親に手伝ってもらった、仕事がなかなか始められずに職場に内定を辞退したなど、周囲に迷惑をかける場合があります。
▶ 2. 保育園探しの時間の余裕がない
誰かに預けて働きながら保育園を探す場合、ゆっくりと保育園見学などはできなくなります。
早いところ預け先を決めなければならないので、子供にあっているかなどは二の次で空いている認可外保育園にとりあえず入れるなどの事態が起こります。
保育園と仕事探し(就活)はどちらが先?
▶ 保育園激戦区では、基本仕事を決めるのが先
▶ 保育園がすぐに入れる地域では、保育園を決めるのが先
▶ 自治体の制度など、臨機応変に使う
仕事と保育園のどちらを先に決めたほうがいいのか?
また何を基準に決めたらよいのでしょうか?
それは先ほどご紹介したように、個々の状況の中でメリットとデメリットを比べて、よりメリットの多い方法をとるべきです。
例えば、①待機児童が出ているような自治体では「仕事」を先に決め、②保育園に入りやすいところでは「保育園」を先に決めるのが定石です。
ここで①と②の理由を説明します。
① 待機児童が出ているような自治体では「仕事」を先に決める、その理由 |
本来は保育園から決めるのがベストです。 面接で預け先が決まっているのは心象が良いという理由のほか、保育園の場所や延長保育の有無などが先に分かっていると、様々な条件に合わせて仕事が決められるからです。 また、子供が保育園に慣れてから働けることは大きなメリットです。 それらの理由から、保育園に入るのが比較的容易な地域の方は、保育園から決めるのが良いでしょう |
② 保育園に入りやすいところでは「保育園」を先に決める、その理由 |
待機児童が出ているような自治体は、すでに仕事を始めていないと保育園に入れないのが実情です。 大半の自治体がポイント制をとっており、得点の高い人(育児が困難な人)から順に保育園に入れる制度を取り入れているからです。 そのため、待機児童が出ているような自治体ではまず仕事から決め、認可保育園の空き待ちをする人が多いのです。 |
実際の選考基準はどうなっているの?
東京都北区の例でみてみましょう。
※ 東京都北区は、選考基準などが他の地域と大きくかけ離れてはいないので、ひとつの参考にして下さい。
「働いている場合」と「求職中」の優先順位の差はこれだけある
北区も他の自治体と同様、ポイント制(北区では※保育指数という名称です)をとっており、保育園入園の優先順位を決めています。
※ 北区では、「保育指数=選考指数 + 調整指数」
引用元:東京都北区役所から一部抜粋
東京都北区の場合は、世帯内で一番ポイントの低い人が基準となります。
当然ながら、働いている方と求職中の方とでは、ポイント(※ここでは選考指数)がかなり違います。
【働いている場合】※ 表の[労働]の欄
フルタイム勤務で週5日・40時間以上すでに働いている方の指数は10点。
週3日未満の場合は、月48時間以上の就労でも5点です。
【求職中の場合】※ 表の[求職]の欄
一方、まだ就労していない場合、既に仕事が決まっていても4点、求職中の場合は3点です。
<調整指数>
さらに母子家庭(シングルマザー)などのひとり親世帯は+2点などの調整指数(困っている人のための優遇制度)があります。
同じ区でも地域によって入園しやすさにかなり差がある
朝日新聞の調査によると、東京都北区は東京23区で比較すると待機児童の少ない地域です。
北区では、毎年保育園ごとに保育園内定者の最低保育指数を出してくれています。
一番最低の人は何ポイントで入園できたかという一覧です。
引用元:東京都北区役所から一部抜粋
30年度の最低保育指数を見ると、北区内でも差があることがわかります。
王子(№21)や東十条(№16)などの人気の地域では10点(フルタイム勤務)でないと保育園に入れない状況なのに比べて、豊島北(№23)など0歳児や一番の激戦の1歳児でも待機なしの地域もあります。
就活中でも3ポイントつくので、比較的空きが多く待機なしの地域に住んでいる方は保育園から先に決めることができますが、人気の地域ではすでにフルタイムで働いていないとダメということがわかります。
待機児童の地域で、保育園に入れずに先に働くには?
「待機児童の地域に住んでいる場合、保育園に入れずに先に働くのってどうすればいいの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
保育園に預けない場合、他の預け先がないと会社もなかなか内定を出してくれません。
就職を先に決めたい場合、保育園以外でも認可外の保育所(認証保育所)など、預け先はあります。
保育園に入れるためにまずは採算度外視で認可外保育室に預けて働き、保育園が決まったあとで転職する人もいます。
社内に保育所がある会社を探すのもひとつの手です。
さいごに
家族に頼れる人頼れない人、フルタイムで働きたいかパートで働きたいか。それぞれの環境によりどちらを先に決めるかは分かれます。
自治体の制度や保育園以外で預けられる情報を集め、保育園が先か就職が先か決めましょう。