5歳にもなると、早い子ではもうほとんど大人と同じように話をすることができるようになります。
一方で言葉の遅い子は、まだつたない文章を話す程度であるなど、幼く感じることもあります。
言葉の発達の程度は子どもによってそれぞれですが、特に遅れている子だと、対策を取ったり訓練を受けたりしないと幼稚園や保育園の活動でおいていかれる可能性もあります。
そこで今回は、発達障害?5歳で言葉が出ない、遅れている時に親ができる対処法ということで、5歳児の言葉について、発達の目安や遅れているときの対処法などを紹介します。
5歳児の言葉の発達の目安
5歳になれば、集中力もある程度ついてくるので言葉を聞き取る理解力もかなりついてきて、高度な会話ができるようになるのはもちろん、自分から進んで上手な言葉遣いで質問したり話したりできるようになります。
ところで、言葉が遅れているといっても、どこまでが普通で、どこからが遅れているのか分かりにくいですよね。
具体的に一般的な5歳児のことばの発達の目安を見ていきましょう。
次のサイトの説明が分かりやすいです。
- 名前・年齢・誕生日・住所・電話番号・幼稚園・両親・季節のことなど「はい、〜です」と質問に答える。
- 自分の意思を、文章になった言葉で表現できる。
- 相手の目を見て話す事、聞く事ができる。
- 2枚の絵を見て、お話を創作できる。
- 同頭語、同尾語集め、しりとりをたくさんしましょう。
- 絵を見て、擬態語や擬声語を言葉で表現をする。(ザーザー、シクシク、フワフワなど)
さらにこの他にも、
- しりとりなどのことば遊びができるようになる
- 分からないことがあれば、「これ何?」「どうやったらいいの?」など自分で聞ける
といったことがあげられます。
5歳になってもこれらの様子が見られなければ、言葉が遅れている可能性があります。
言葉が遅れている場合の原因と対処法
質問に対して、文章で返せない
例えば「今日は幼稚園で何した?」と聞いても、「砂あそび…」と単語でしか返せない、といったケースです。
このようなときは、「誰と」「いつ」「どこで」「何を」「なぜ」「どのように」といった言葉で質問します。
「今日は幼稚園で誰と何して遊んだの?」というように、答える内容を明確にしてあげるようにしましょう。
「〇〇くんと砂遊びした」というように返せるようになれば成功です。
このように文章で話す経験をたくさんさせてあげて、お話しするのが楽しいと感じてもらえるようにしましょう。
数や色を理解できない
「いち、に、さん…」と10まで言えるけど「3個ちょうだい」と聞くと分からない、「これは何色?」「黄色のボールどれ?」と聞くと分からない、など、数や色の理解ができていないという場合です。
数や色の分野が苦手なのかもしれません。
このような場合、たくさんの選択肢の中から選ばせるのが難しいようなら、まずは極端な2択から始めましょう。
「こっちとこっち、多い方はどっち?」「赤はどっち?」といった感じです。
できるようになってきたら、少しずつ難易度をあげましょう。
また、“おけいこ”“練習”という風にやると、子どもは嫌がってしまうし、集中力もそれほど続きません。
遊んでいるとき、買い物をしているときなど、日常生活の中でさりげなく取り入れてみましょう。
筆者の子どもは、エレベーターのボタンを押したがるので「3番を押してね」と言いながら正しいボタンを教えてあげたり、買い物で「黄色いパプリカとって」といって、赤と黄色のパプリカから選ばせたりしていました。
全体的にことばの理解が遅い
数や色だけ理解できない、というのではなく、全体的に言われていることが理解できにくいといった場合もありますね。
ただ単に言葉の発達がゆっくりなのかもしれません。
こういった場合は、たくさんコミュニケーションをとるようにしましょう。
と言っても、忙しいしどうしたらいいか分からないというママも多いと思います。
そんなときは、簡単なお手伝いをさせてあげましょう。
「トマトを洗ってね」「洗濯物をかごにいれてね」といった簡単なところから始めます。
できるようになってきたら「今からトマトを洗います。ボウルにお水をいれてから洗ってね。」というように、1回で2つ以上の指示を出してみましょう。
お手伝いは、コミュニケーションをとったり、言葉を聞いて理解するのにとてもいい機会になりますよ。
また、無理にさせるのではなく、子どもが興味を持っているものをさせてあげてくださいね。
話さなくてもよい環境である
子どもの気持ちや欲求を、親がすぐに感じ取って何でもしてあげていると、言葉を話さなくても不自由なく過ごせるので、言葉が遅れることもあります。
例えば、子どもが取って欲しいものを指差しすれば、ママがすぐに持ってきてくれるなど、何も言わなくてもやってもらえる環境にいると、言葉を話す機会がなくなってしまいます。
子どもが何をして欲しいか分かっていても、あえて「どうしたの?」「何が欲しいの?」と分からないふりをしたり聞いてみたりして、子どもから何かを伝えようとする機会を与えてあげましょう。
理解力や言葉の発達が明らかに遅れている場合
あまりにも言葉の理解や表現が遅れていると、発達障害なんじゃないか?と思うママもいるでしょう。
以下の項目をチェックして、当てはまるようなら保育園や幼稚園の先生、子育て支援の場、自治体の相談窓口で相談してみましょう。
- 独り言が多い
- オウム返しで答えることが多い
- 意思の疎通がうまくできない
- 単語を話すだけで、助詞がなく繋がった文章になっていない
ただし、言葉の発達が遅い・早いだけで発達障害かどうかは判断できません。
人との関わり方や、運動、認知、生活の様子など、総合的に見て判断します。
また、5歳頃になると小学校入学に向けても考えていかなければいけません。
理解力や言葉の発達が遅れているままでは、小学校の授業についていけなくなることも有り得ます。
- 先生がクラス全体に出している指示を聞けない、理解できない
- 一回の話で3つ以上の指示を聞き実行することができない
- 自分の意思を文章で話せない
といった場合には、小学校に上がったときに個別で指示をしてもらえるように担任以外の先生にサポートしてもらう必要があります。
障害があるかないかということよりも、少しでも理解力や言葉の発達が進むように、専門機関の訓練を受けさせてあげることが大事です。
早い方が子どものために良いですので、気になるようなら早めに幼稚園や保育園の先生に、「言葉が遅いのが気になっているが、園では困っている様子はないですか?」などと相談しましょう。
発達障害チェックリストまとめ
発達障害かどうかもっと調べたいという場合は、発達障害のチェックリストでテストしてみるのもいいかもしれません。
ADHD | ADHD NAVI
キッズハグADHD.co.jp・・・受診用のチェックリスト |
自閉症 | キッズハグ |
※ 発達障害は病名がたくさんあって分かりにくいですが、りたりこ発達ナビ様で図解で紹介されていて分かりやすいです。
さいごに
5歳にもなれば、小学校入学を見据えていく時期です。
「障害」や「個性の範囲」といったことにこだわらず、言葉が遅れていると感じたら、子どものことを考えて早めに相談・対処しましょう。