親が子供を児童自立支援施設に入所させる理由は?

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児童自立支援施設は犯罪や不良行為などを行った子供たちが社会で自立できるように支援する施設です。

何度言っても盗みを繰り返してしまう、素行不良で親の手に負えない、そんなお子さんを社会全体で助けていく児童自立支援施設はどのようなところなのでしょう。

そこで今回は、親が子供を児童自立支援施設に入所させる理由は?ということで、入所しているお子さんはどんな理由で入所になったのかご紹介します。

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児童自立支援施設はどんな施設?

 ▶ 児童自立支援施設は、不良行為などを起こした子の生活指導を行う施設
 ▶ 施設内に学校があり、生活指導を行っている
 ▶ 少年院と違い「開放施設」である

児童自立支援施設は、児童福祉法第44条に則り、素行不良非行行為をしてしまった子供や、犯罪行為をしてしまい家庭裁判所で保護処分を言い渡された子供を入所させ、社会的自立に向けた支援をする施設です。

また、家庭環境の問題などで教育を受けられず善悪の判断ができないような子供も入所し、生活指導を行っています。

児童福祉法(昭和22年法律第164号)
第44条 児童自立支援施設は、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。

引用元:厚生労働省 社会的養護の施設等について

厚生労働省の資料によると、平成28年の調査では、施設は全国で58ヶ所・定員3,686名のうち実際1,395人が施設で生活しています。

児童自立支援施設では、職員やほかの入所者と一緒に生活し、生活指導・学科指導・自立支援の助言を受けられます。

一般的に施設内に小中学校があり、施設に収容されている児童はそこに通って勉強します。

クラブ活動や他の児童との共同作業(農業や掃除など)を通じて、集団生活を学ぶ機会もあります。

高校に進学する場合は、施設の外にある高等学校に通うことになります。

児童自立支援施設にいる子供の平均年齢

児童自立支援施設で暮らす子達の平均年齢はどれくらいなのでしょうか。

平成25年2月の調査では下記の通りになっています。

(1)在籍児童の年齢(平成25年2月1日現在)

児童自立支援施設
年齢 児童数(人) 割合
8歳 3 0.2%
9歳 7 0.4%
10歳 26 1.6%
11歳 46 2.8%
12歳 106 6.3%
13歳 254 15.2%
14歳 514 30.8%
15歳 569 34.1%
16歳 80 4.8%
17歳 40 2.4%
18歳 25 1.5%
総数 1,670 100%
平均年齢:14.1歳

厚生労働省 社会的養護の現状について(参考資料)  P.42(参考)統計表等 より一部抜粋および加工

 

上記サイトによると、在籍期間は1年未満が57.9%1年以上2年未満が31.2%(H28年調べ)と大半を占めています。

児童に改善が見られ、生活指導が十分に行われたと判断したら親元に帰ることになります。

児童自立支援施設と少年院との違い

少年院との違いは、原則として「開放施設」であることです。

鍵のかかった部屋に入れられるわけではないですし、お盆や正月などには親元に帰ることも可能です。

犯した罪が重い場合は、児童自立支援施設ではなく少年院に送られます。

また、年齢が低いほど少年院ではなく、児童自立支援施設に送検の措置がとられる傾向が見られます。

また、少年院が罪を犯した子達の「更生」をする施設なのに対し、児童自立支援施設は「社会的自立」を目的とした施設です。

「家庭裁判所」の決定だけではなく、不良行為を続ける子や家庭環境が良くない子に対して、「児童相談所」が入所の決定を下せるのも大きな違いです。

児童自立支援施設に入所する方法は?

▶ 入所は「児童相談所」または「家庭裁判所」の決定による

児童自立支援施設に子どもを入所させたいと思った場合、どのような方法があるのでしょうか。

基本的に児童自立支援施設は素行の悪い少年少女の生活指導をすることを目的にしているので、児童相談所(都道府県知事)または家庭裁判所の決定があり入所することになります。

「児童相談所」が決定するパターン

児童相談所は親や学校・警察から児童の素行不良などの相談を受け、入所が適切かどうか判断をして所長(都道府県知事)が施設への入所の決定をします。

子供が素行不良で困っているという親御さんは、まず児童相談所に相談します。

それを受けて、児童相談所が入所の措置が必要と判断した場合に、お子さんを入所させることになります。

「家庭裁判所」が決定するパターン

家庭裁判所が決定を下すケースは、犯罪をした子どもが対象です。

家庭裁判所は犯罪をした子供に対して処分を下すのですが、その中の一つに「児童自立支援施設への送致」があります。

犯罪が重い場合や、児童の中でも年長者で責任の所在が大きい場合は少年院に送られることが多く、犯罪が軽微な場合は自宅に戻して保護観察になることもあります。

児童自立支援施設に入所する理由は?

▶ 犯罪行為をした、あるいは犯罪行為をする恐れのある場合が、主な入所理由
▶ 育児放棄等で、適切な教育を受けられなかった子も対象になる

 

実際子供たちはどんな理由で入所しているのでしょうか。

下記の3つが主な入所理由となります。

  1. 犯罪行為をした
  2. 素行不良で犯罪などの不良行為をするおそれがある
  3. 家庭の事情などにより生活指導が必要

1. 犯罪行為をした

▶ 「家庭裁判所」のほか「児童相談所」が決定する場合もある

犯罪行為をし、家庭裁判所で「児童自立支援施設」に入所する処分が下された場合、施設に入所します。

例えば窃盗暴走暴力詐欺などの他、喫煙飲酒など、子供に不適切な行為も含まれます。

刑法第41条では「14歳に満たないものの行為は罰しない」とありますので、例えば小学生が万引きをしたり暴力事件などを起こした場合、基本的には警察に補導されても刑罰を加えることはできません(犯罪の低年齢化に伴い、概ね12歳以上の少年で罪が重い場合は初等少年院や医療少年院に収容することが可能になりました)。

警察は補導した児童を児童相談所に通告し、児童相談所が対応する決まりになっています。

場合によってはその後、児童相談所が家庭裁判所に送致し、家庭裁判所で審査を受けることもあります。

こうして犯罪をしてしまった子は、家庭裁判所か児童相談所から児童自立支援施設に入所する流れになります。

2. 素行不良で犯罪などの不良行為をするおそれがある

▶ 「児童相談所」が決定する

実際に法に触れなくても、暴走族などに入り夜は自宅に帰ってこない、家出をして夜の街をフラフラと遊び歩いている、子供が入ってはいけない不健全な場所に入り浸るなど、放置していたらいずれは犯罪に手を染めてしまうような子供たちを保護し、生活指導をします。

3. 家庭の事情などにより生活指導が必要と判断される場合

▶ 「児童相談所」が決定する

児童自立支援施設は以前「救護院」という名称で、素行不良の子の更生施設でした。

しかし、平成9年の児童福祉法改正により、様々な事情により適切な養育や教育を受けていない子達も入所の対象になり、名称も「児童自立支援施設」に変更になりました。

例えば親のネグレクトなどにより、学校にもいかず、善悪に対する教育を受けていなくて社会で生活するための力がない子供たちを入所させ、生活指導をして社会的スキルを身につけさせます。

さいごに

非行に走ってしまった子供に対して、親が責任を持って躾をしなくては、と思い悩んでいる方もいるかと思います。

家庭で頑張ろうとしても肉親だからこそ悪化させてしまうこともあるし、人一人の力ではどうにもならないこともあります。

専門の方の力を借りられるところが「福祉」です。

どうか思い悩まずに、児童相談所に相談して専門家の力を借りてください。

児童自立支援施設の入所費用はこのくらいかかる!
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