中学生のときに反抗期がこないまま高校に入学すると、反抗期が来ないように思えます。
しかし、高校生で反抗期が来てもおかしくないのです。
高校生活は今後の進路を決める大切な三年間なので、できるだけ進路を考えることに集中してほしいですよね。
そんな大切な時期である、高校生の反抗期の原因や特徴はどんなものなのでしょう。また、対処法を知っていれば少しは反抗期が和らぐかも知れません。
そこで今回は、高校生の反抗期はいつまでか、
息子、娘の反抗期の問題(暴言や無視、進路問題など)について原因と対応方法をご紹介します。
順にご紹介していくので、参考にしてください。
高校生の反抗期はいつまで続く?
■ 17歳~20歳ごろまで
反抗期には、「第一次反抗期」と「第二次反抗期」があり、ちょうどその間に「中間反抗期」と、大きく3つの反抗期があります。
時期はそれぞれ次のとおりです。
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一般的に「第二次反抗期」が終わるとされる16歳はまだ高校1年生・2年生ですので、「うちの高校生の子はまだ反抗期真っ只中よ!」というママさんもいらっしゃるかと思います。
当然ながら、個人差や環境の違いで、反抗期の時期は少しずつ変わってきます。
それでも高校生の反抗期は、どんなに遅くても17歳~20歳ごろ(場合によっては大学生まで)までには反抗期は終わるとされています。
暴言がつらい!でもそれは大人への成長の証
■ 精神的に自立しようとしている過程なので、自分でできることは口を出さない
子供からの暴言や冷たい態度はつらいですよね。
しかし反抗期は子供を大人へと成長させる大事なステップです。
自立しようとするなかで、自分では気づけない心の成長が起こっています。
一般的に、反抗期に暴言をはくなどして、一番つらくあたってしまう対象は母親が一番多くなってしまいます。
私の経験上、親に暴言を吐いてくるときは、親の注意などを口うるさく感じた時が多いと思います。
ただ、今まで一番甘えていて頼りにしていた母親を口うるさく感じ、疎ましく感じるのは母親から自立しようとしているからです。
できるだけ自分でやろうとしているときに急かされたり無理強いされると「せっかくやろうと思っていたのに」と気分が悪くなってしまいます。
やる気を削がないためにもなんでも口を出すのはやめて、できるだけ自分でやらせるようにしましょう。
「親が手伝ってくれない・アドバイスをくれないと、自分では何もできない・困る」ということに気づけば、親のありがたさも分かってくるものです。
思春期の進路、受験のサポートはどうすればいい?
■見守りながらも優しくサポートする
高校生にとって(特に高校3年生)一番の悩みは進路、受験についての悩みでしょう。
友達や先生の話を聞いて、たくさんある学校から自分の行きたい学科があるかどうか、校風があっているかどうかを選ばなければいけませんし、就職する人はどんな就職先にするかを決めなければいけません。
また、行きたい大学や専門学校が決まっても、受験するにあたって自分の学力が見合っているか、通学時間はかからないか、など考慮する事柄がたくさんありすぎてしまいます。
ひとりで決めるのは大変ですが、ナイーブになっているところに追い打ちをかけて進路について過度に干渉すると反抗期が悪化する原因になってしまいますし、これから進路・受験について相談されなくなってしまう可能性もあります。
家族の関係が悪い方に偏らないためにも、自分が気になったからと過度に問いただすことは避けて、相談したくなさそうなら無理やり聞かない、交通費などの面でサポートが必要そうなら手助けするくらいの気持ちでいましょう。
受験勉強をしない時の勉強のさせ方
■ 子供の尊敬している大人にアドバイスしてもらう
■ とことん寄り添う
■ 飴(ご褒美)とムチ(叱る)を上手に使い分ける
まず、高校生活の中で、男子・女子共通して大きなウエイトを占めている受験勉強ですが、まともに勉強をしなくなってしまう子供もいます。
どれだけ言っても言うことを聞かず、成績は落ちていくばかり・・
このまま反抗期が続いて受験に失敗してしまえば、本人が一番傷ついてしまいます。
でも親の言うことは聞かない・・
そういうときは塾や学校の先生などの「子供が好きな他の大人に託す」のもいいかもしれません。
反抗期の子供は「気に入らない人には徹底的に無視もしくは反抗するけど、好きな人の話はすぐ鵜呑みにしてしまう」という大きな特徴があります。
これを利用して、親戚や周りにいる大人のだれでもいいのでアドバイスしてもらうのです。
すると驚くほど素直にいくでしょう。好きな大人がよくわからない場合は、高校生の気持ちになってとことん寄り添うことです。
こちらの解決策のほうが後々の子どもの心に「辛い時に寄り添ってくれた優しい両親」としての思い出が残るので、大変ですが実行してみるのも大切です。
それでもどうしても子供が勉強をしない!やる気が出ない!という場合もあると思います。
こちらはテレビでも有名な脳科学者の言葉の引用ですが、とても分かりやすいのでご覧ください。
人間はどんなときに「やる気」を出すのか。それは「報酬への期待を感じたとき」に尽きる、と言えます。
[中略]
一方、「叱られる」経験も時には必要です。叱られない状態が続くとそれ自体が報酬になってしまい、現状が悪くても変えようとしなくなるからです。
[中略]
「もう一度チャンスをください」と食い下がってくる場合は叱られて伸びるタイプ。落ち込んでその後のパフォーマンスが落ちるようなら、叱りすぎは禁物です。
引用元:THE21online
つまり、脳はご褒美をあげると(またはご褒美を期待する)やる気が出る、ということです。
また、ときには叱ることも必要ですが、子供が「ご褒美をあげると伸びるタイプ」か、「叱ることで伸びるタイプ」かを見極めることも必要なのですね。
つまり、 飴(ご褒美)とムチ(叱る)を上手に使い分けることが大切といえます。
これを反抗期の高校生にあてはめてみると、特に勉強ばかりを押し付けられても機嫌を損ねるばかりですから、息抜きを提案したり、ときには「〇〇点とれたら〇〇してあげる」などのご褒美も効果的でしょう。
高校生の反抗期。男女別の特徴・対処法
【高校生の男子】特徴
男子はどうしても口で言い負かされてしまったり、自分の思った通りにいかなくなると、暴言を吐いたり、イライラして手が出てしまったりします。
また、「異性にどう思われているか」をいつも気にしているので、母親への隠し事も増えてきます。
【高校生の男子】息子との付き合い方
■イライラを止めようとしない
■隠し事を聞き出そうとしない
ものにあたってしまうだけでなく、手を出してしまう(暴力)場合もあります。
ものにあたるのもあまりよくありませんが、それを止めてしまうと対象が人に変わってしまう可能性があるので注意が必要です。
いくら我が息子とはいえ、無理にイライラを止めようとすると力が強くなっているので危険です。
また、イライラが加速することもあるので無理に止めようとするのは避けましょう。
母親へ隠し事をする場合ですが、あまり深く詮索しないようにしましょう。
今までは何もかも知っていられたかもしれませんが、これから自立するにあたって隠し事や知らないことはたくさん増えていますし、この年齢になると隠し事が全く無い方がおかしいくらいです。
また交遊関係も複雑化してくるので、ひとつひとつを把握するのは簡単ではありません。
夜遊びが増えてしまうと困りますが、両親の目から見て大きな心配がなければ自由にさせるのも大切です。
【高校生の女子】特徴
男子が「異性に認められたい」とは逆に、女子は「同性に認められたい」という気持ちが大きくなっています。
ですから、同じ性別である母親にどう接していいか分からず、無視してしまったりきつい言葉を言ってしまったりします。
【高校生の女子】娘との付き合い方
■無視されたら距離を置く
■突き放さず、距離を置いて見守る
自分の娘に話しかけても無視されるというのは、かなりストレスがたまると思います。
でも、娘は親を無視していても、その間は親の動きを細かく気にしています。
見ていないようで見ているのです。
ですので、無視されている時はあえて少し距離を置くようにしましょう。
娘にも考える時間ができるので、冷静に話ができるはずです。
しかし、これは完全に放任するとういうことではありません。
ここで話したり接するのが面倒くさいからと放任してしまっては、彼女にとっては「一番話を聞いてほしかったときに無視された」という記憶が残ってしまい、反抗期が長引くだけではなく、反抗期が終わったあとも引きずってしまいます。
また、無視したりきつい言葉を言ってしまった後は、それをやってしまった娘本人が落ち込んでいる場合が多いので、気にしているような素振りを見せたら「大丈夫、気にしてないよ」など優しい言葉をかけてあげましょう。
先輩ママに聞く!反抗期を乗り越えた体験談
先輩ママさんが、高校生のお子さんの反抗期を乗り越えた体験談をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
1. ハンドルネーム:夏休みそうめん 2. 年齢:47才 3. 職業:専業主婦 4. 高校生の子供の性別:女子
■勉強をしない・反抗的な態度
高校生になって、急に態度がおかしくなるお子さんというケースは、あまりいないかと思います。 そこそこに中学も何かにつけて衝突してきたのではないでしょうか。 我が家の娘も同じです。 なんとか高校生になったのはいいものの、とにかく「とがって」ました。 入学してクラブに入ったのですが、そこでまた夜の帰りが遅くなります。 遅くなるとコンビニなどに立ちよります。 おこずかいではとうてい足りず毎日お金をせびります。 そして、早く帰って来るようにいうと叫ぶのです。 「なんであたしだけが帰らなくちゃいけないの?」と。もちろんクラブをして後で遊んでという日々ですから、勉強は、全くしません。 中学の時からすでにいわゆる落ちこぼれですから授業中に座っているだけなのです。 もちろん、授業にでないで、ちかくのマックにも行っていたようです。 でも、彼女はそのことが悪いことだとは全く気が付いていませんでした。 というよりも何も考えていないので、わからないんです。 真面目に学校に行って真面目に授業を受けて真面目に生活することがどういうことなのか。 なので、私が不機嫌だとそれに反発するのです。 なんで私にきつくあたるのかと。 そういうわけで、毎回面接の呼び出しがかかり、家では学校を辞めてもう社会人になった方がいいのではという話もでました。 私も次の呼び出しがあったらやめさせようと何回も思い、中卒だっていいじゃないかと考える所まで行っていました。 そして、家の中の雰囲気は最悪になり、隣の部屋の兄弟にもあきれられるような関係となってしまい、家から出しました。 これはかなり極端で、やるご家庭はないと思いますが、家を出ていくような形で一人暮らしを始めました。 学校には言えるわけもなく、内緒にしていたので、学校の近所に住んでいるお母さん方に気にかけてもらうような形になりました。 その半年後に高校をぎりぎりで卒業するのですが、まだそのころは親子の関係もうまくいっていませんでした。 ですが、その後1年ぐらいでやっと反抗的な態度がなくなってきました。 家に帰ってくるとわりと気の利くことをしたりしてくれます。 それに、自分で生活することで、今までなんでも思いとおりになると思っていたことがそうではないのだということを知ったようです。 それだけでも成長かと思います。 |
1. ハンドルネーム:やすこ 2. 年齢:45歳 3. 職業:専業主婦 4. 高校生の子供の性別: 男子
■ 無視・物を壊す
現在は大学生になり1人暮らしをしている長男のことをお話します。 中学生あたりから回りの友達の影響からか話しかけても答えないことが多くなり、学校の大事な連絡事項なども言わなくなりました。 年頃だと思い、私も仕事があったりで、そんなものだと静観していました。 しかし、学校が終わってからもなかなか帰ってこなくなったり、家に帰ってきても遊びにでたりでさすがによくないと思い、注意をしたところ、物を壊すようになりました。 それでも、親として怯むわけにはいかないとしっかり話をしたいといろいろ頑張ったのですが、すぐに自分の部屋に入ったりして、完全に冷戦状態が続きました。 なんとか高校生になり、あいかわらずほとんど話もせず、学校からもなかなか帰らない日々が続きました。 物を壊すことはなくなり、一安心ではありました。 やがて、進路の問題がもちあがり、どうするかということを親子で考える事態がやってきました。 さすがに、話をしないわけにはいかないと思ったらしく、それから、少しずつ話をするようになりました。 しかし、本人が行きたいと思っているところは学費が高く行かせてやれず、またそこでも言い合いになり、またまた冷戦状態に突入でした。 お金がないものはないということをとにかくいい続けて、ちょうどアルバイトをしたいということを言い出したので、金銭感覚を身に付けさせるためにもいい機会だと思い、させることにしたりしているうちに、だんだん進路のことも現実とあわせて考えてくれるようになりました。 嵐のような6年間でしたが、我が家の場合は、話をしなくてもこちらはずっとあなたのことを気にかけているよ、という姿勢を見せていました。 それが良かったのかは分かりませんが、決して見捨てない姿勢をとっていたことで、安心して反抗できたのだと思います。 今は、あの毎日が嘘のようにラインで連絡をしてきます。 もう少したったら、笑いあって話せる日がくるのでは、という期待をして、あと少しお付き合いしたいと思います。 |
まとめ:高校生は不安が多い時期。少しでもストレスの軽減になるように意識しましょう。
さいごに、高校生は進路や受験などが細かく分かれる大切な時期です。
自分の将来に対する不安もあるのに、反抗期でイライラしてしまうとたくさんの可能性を潰してしまうかもしれません。
少しでも反抗期によるストレスを軽くしてあげて、自分のやりたいことについて考える時間と心の余裕をもたせてあげたいですね。